レインボー「アイ・サレンダー」の感想!虹史上最もポップなアルバム

前作「ダウン・トゥ・アース」で、衝撃的ともいえる方向転換を遂げたレインボーのスタジオ第5作にあたるアルバムがこの「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」だ。

前作から推し進められてきたレインボーのポップ化がこの「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」ではさらに進み、初期の面影がどんどん消えていった。

ロニー・ジェームズ・ディオ時代が好きなレインボーのファンにおすすめするのはかなり無理がありそうだ。

はたして「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」はどんなアルバムだったのか、詳しく振り返ってみたい。

今回は、虹史上最ポップなアルバムとなったレインボー「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」の感想を綴ってみたいと思う。

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レインボー「アイ・サレンダー」

ヴォーカルのグラハム・ボネットが脱退し、ジョー・リン・ターナーが加入しての第1弾となったアルバムが、この「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」だ。

レインボー「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」の収録曲とメンバーは、以下の通り。

「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」 レインボー

収録曲
1.アイ・サレンダー(I Surrender)
2.スポットライト・キッド(Spotlight Kid)
3.ノー・リリース(No Release)
4.マジックMagic
5.メイビー・ネクスト・タイム(Vielleicht Das Nächste Mal(Maybe Next Time))
6.キャント・ハプン・ヒア(Can’t Happen Here)
7.フリーダム・ファイター(Freedom Fighter)
8.ミッドタウン・タネル・ヴィジョン(Midtown Tunnel Vision)
9.治療不可(Difficult to Cure)

メンバー
ギター:リッチー・ブラックモア
ヴォーカル:ジョー・リン・ターナー
キーボード:ドン・エイリー
ベース:ロジャー・グローヴァー
ドラムス:ボビー・ロンデイネリ

1981年の発表。

レインボー「アイ・サレンダー」の感想

まずは、1曲目の「アイ・サレンダー」がこのアルバムを象徴しているといえるだろう。

前作「ダウン・トゥ・アース」の「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」同様にポップでキャッチーな歌メロが心地よくもやはり驚きを禁じ得ない。

しかし、気軽に口ずさめて本当にいい曲だと思う。

リッチー・ブラックモアが最近、再結成したレインボーでも再録したのもよくわかる。

しかし、このアルバム「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」を「レインボー・ライジング」と聞き比べれば、とても同じバンドとは思えない。

2曲とも同じラス・バラードが書いた曲だからということもあるが、こちらの「アイ・サレンダー」のほうがポップに聞こえる。

それはこのアルバムからヴォーカルがジョー・リン・ターナーに変わったからだと思う。

前作「ダウン・トゥ・アース」ではグラハム・ボネットがパワー・シンガーだったから同じ路線の曲でも聞こえ方が若干異なるのではないか、と思うのだがどうだろう?

「ダウン・トゥ・アース」の記事は、こちらからどうぞ!
☞ レインボー「ダウン・トゥ・アース」の感想!虹史上最大の変色!

だが、この手の曲は向き不向きで言えばジョー・リン・ターナーのほうが向いているだろう。

ジョー・リン・ターナーの声質がこの路線のレインボーにはピッタリだ。

このアルバム「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」でレインボーがさらにポップになったと感じるのはジョー・リン・ターナーの存在が大きいように思う。

レインボー「アイ・サレンダー」は虹史上最もポップなアルバム

ポップでキャッチーな曲となると「アイ・サレンダー」だけではない。

3曲目「ノー・リリース」、4曲目「マジック」、7曲目「フリーダム・ファイター」あたりもかなりポップでキャッチーである。

しかし、その一方で、2曲目「スポットライト・キッド」、6曲目「キャント・ハプン・ヒア」、8曲目「ミッドナイト・タンネル・ヴィジョン」はハード・ロック・バンドとしてのレインボーの一面を見せている曲だ。

そして、個人的にこのアルバム「アイ・サレンダー」のハイライトだと思うのが、5曲目「メイビー・ネクスト・タイム」と9曲目「ディフィカルト・トゥ・キュア」のインストゥルメンタル2曲だ。

「メイビー・ネクスト・タイム」はメロディアスな哀愁漂う名曲で、ライブではアンコールやエンディングで演奏されている。

「治療不可(Difficult to Cure)」は、ベートーヴェンの第九第4楽章をテーマにした曲で、このアルバムに収録されるまでライブでずっと演奏されてきたが、やっとアレンジが固まったのだろう。

満を持しての収録といった感じだ。

ともにリッチー・ブラックモアのフェイヴァリット・ナンバーで、このポップなアルバムに自然に溶け込んでいるのが興味深い。

このようによくよく聞くとこのアルバム「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」は、ポップでキャッチーな曲、ハードな曲、そしてインストゥルメンタルと非常にヴァラエティ豊かなアルバムであることがわかる。

ポップになったと嘆かれることも多かったアルバム「アイ・サレンダー」であるが、もしグラハム・ボネットが歌っていたなら、ここまでポップには聞こえなかったのではないかと思う。

レインボーのライブの定番曲が多いのもおすすめポイント

ポップになったからライブ向きの曲が少ないのではないかと思われそうだが、実はこのアルバム「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」からは、その後のレインボーにおけるライブでの定番曲になっている曲がいくつかある。

まず、「スポットライト・キッド(Spotlight Kid)」で、ライブでこの後オープニングに固定され、それは再結成レインボーでも変わらなかった。

「アイ・サレンダー」と「キャント・ハプン・ヒア」は80年代レインボーが解散するまで演奏され続け、「治療不可(Difficult to Cure)」などはこの後、再結成ディープ・パープル~再結成レインボー~ブラックモアズ・ナイトとリッチー・ブラックモアの生涯に渡って演奏され続けている。

一方、ポップな曲はライブ向きではないということなのか、「アイ・サレンダー」以外は演奏されることはなかった。

レインボー「アイ・サレンダー」の感想~まとめ

今回は、虹史上最ポップなアルバムとなったレインボー「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」の感想を綴ってみた。

レインボーの中でもポップなアルバムとして捉えられている「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」であるが、実はヴァラエティに富んだ作風で特にインストゥルメンタル2曲は見事な出来映えである。

ポップになったと感じる最大の原因はジョー・リン・ターナーの声によるものが大きいように思われるが、この路線のレインボーにはピッタリだったように思う。

その後のレインボーのアルバムを見ると過渡期と思えなくもないが、外部ライターを起用して新しいレインボーを形成するための実験的なアルバムではなかったか。

ヘヴィでハードなレインボーよりポップでキャッチーなアルバムを聞きたいならこのアルバム「アイ・サレンダー(Difficult to Cure)」がおすすめである。

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