ギターを弾く前にはチューニングが付き物であるが、慣れるまではなかなかうまくいかないものです。
特にどういうわけか2弦だけチューニングが合わないということがよくあります。
筆者もギターを始めたばかりの頃、よく経験したがこれはいったいどういうことなのでしょうか?
原因も気になるし、2弦と3弦との間だけが3度の理由も気になるところです。
今回は、ギターのチューニングが2弦だけ合わない原因と2弦と3弦との間だけが3度の理由を見ていきます。
ギターのチューニングが2弦だけ合わない
ギターのレギュラーチューニングは、6弦=E(ミ)、5弦=A(ラ)、4弦=D(レ)、3弦=G(ソ)、2弦=B(シ)、1弦=E(ミ)です。
各弦の音は何度もチューニングをやっていくうちに自然に覚えていくので、最初のうちは覚えられなくても心配する必要はありません。
そして、チューニングをする場合は多くの人はチューナーを使って行っていると思いますが、6弦のE音からチューニングをスタートして基本的に各弦は1弦方向に向かって4度進行でチューニングしていきます。
これに沿ってチューニングしていくとEの4度上はA、Aの4度上はD、Dの4度上はGという具合です。
この順番でいくと、3弦Gの4度上で2弦はCということになるのだが、実際は2弦Bだけは3度上のBになっています。
そして、2弦Bの4度上で1弦はEになります。
そしてここれがギターの2弦だけチューニングが合わない原因となります。
ギターのチューニングが2弦だけ合わない時の対処方法
2弦だけは、巻き過ぎて1弦Eになりやすく、逆に緩めれば4Dになりやすくなります。
わからないとチューナーが故障しているのではないかと疑ってしまうこともありますが、たいていそうではなく2弦=B(シ)よりかなりずれた音でも気づいていない場合がほとんどです。
これをチェックするには3弦の4フレットを押さえ、その音程に2弦開放弦の音を合わせてみれば簡単にわかります。
もし同じ音になっていればチューニングは正しく行われていたということになりますから、チューナーが正しく表示されない場合は故障の可能性もあるというわけです。
音感を養うのにも役立つチェック方法ですから、チューニングが2弦だけ合わない時は簡単だからぜひ試してみていただければと思います。
ギターの2弦と3弦の間だけ3度の理由
ギターのチューニングが2弦だけ合わない原因はわかったが、ではなぜギターは2弦と3弦の間だけ3度なのでしょうか?
他はすべて4度なのだからどう考えても不自然な気がします。
これにはもちろん理由があって、逆に3度でなければギターを弾く上で不都合なことが起きてきてしまいます。
その不都合なことというのがコードで、もしすべて4度進行でチューニングするとスケールなどの単音ではなんとかなるがコードを押さえるのにかなり問題が発生します。
わかりやすい例がセーハで、もし2弦と3弦の間が3度でなければ、4~6弦は問題ないが2弦はそうはいきません。
想像してみれば明らかで、とても今のようには押さえられません。
もしギターがコードを弾かない楽器ならすべて4度進行で問題なかったでしょう。
実際、単音メインのベースは、弦が5本以上でもすべて4度でチューニングです。
もちろん最初から今のようなチューニングではありませんでしたが、本当にうまくできていて感心します。
ギターは2弦と3弦の間だけ3度であるからこそ伴奏もメロディー弾きも可能にし、”ギターは小さなオーケストラ”と呼ばれるようになったのではないでしょうか。
追記
読者の方からのご指摘で、ギターがコードをあまり使わない時代から今のレギュラーチューニングであったことがわかりました。つまり、結果としてコードを押さえやすくはなりましたが、そのために今のレギュラーチューニングになったわけではないようです。
ギターのチューニングが2弦だけ合わない~まとめ
今回は、ギターのチューニングが2弦だけ合わない原因と2弦と3弦との間だけが3度の理由を見てきました。
ギターのチューニングが2弦だけ合わないのは、ギターは基本的に各弦は1弦方向に向かって4度進行なのに2弦Bだけは3度上のBになっているのが原因です。
また、2弦と3弦との間だけが3度であればコードを押さえやすくなり、逆に2弦と3弦の間だけ3度であるからこそ伴奏も可能にしているともいえます。
ギターの不思議な部分かもしれませんが、こうして掘り下げてみるとすべて理にかなっているといえます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
ギターのスタンダードなチューニングがコードを押さえやすいからなんて誰が言い出したんですかね?
一般的に言われるコードなんて押さえることが少ないクラシックの時代から変わらないんですが
著名な音楽を研究されている方々も色々発表しているんで一度論文でも読み漁ったらいかがですか?
今ならgoogleで簡単に読めますんで
野村様、コメントありがとうございます。
著名な方々の見解はともかく、コードを押さえることが少ない時代から変わらないということはコードの押さえやすさのために今のレギュラーチューニングになったわけではないということですね。
チューニングひとつとってもギターの奥深さを感じさせられます。