朴葵姫(パク・キュヒ)のトレモロが光る名盤「スペインの旅」

「スペインの旅」 朴 葵姫(パク・キュヒ)


 

 

 

 

 

 

 

1.ファリャ:バレエ音楽「恋は魔術師」〜粉屋の踊り
2.ファリャ:バレエ音楽「恋は魔術師」〜きつね火の歌
3.ファリャ:バレエ音楽「恋は魔術師」〜漁夫の物語
4.タレガ:ラグリマ (涙)
5.タレガ:アラビア奇想曲
6.タレガ:グラン・ホタ
7.タレガ:アルハンブラの思い出
8.タレガ:前奏曲第10番
9.タレガ:前奏曲第11番
10.アルベニス:組曲「スペイン」〜アストゥリアス (伝説曲)
11.アルベニス:組曲「スペイン」〜カタルーニャ奇想曲
12.リョベート:「13のカタロニア民謡」〜アメリアの遺言
13.リョベート:「13のカタロニア民謡」〜盗賊の歌
14.リョベート:「13のカタロニア民謡」〜聖母の御子
15.リョベート:「13のカタロニア民謡」〜クリスマスの夜
16.トローバ:ソナチネ

朴葵姫(パク・キュヒ)の演奏に出会うまで、クラシック・ギターからはだいぶ遠ざかっていた。

なかなかいい演奏に巡り合えないのも原因のひとつかもしれないが、聞く機会も少なかった。

それが、ある音楽番組で一変することになった。

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朴葵姫(パク・キュヒ)のトレモロに脱帽

朴葵姫(パク・キュヒ)をはじめて知ったのは、NHKのEテレを見ていた時だった。

その時には何やら若手演奏家を紹介するという企画で、童顔のまるでアイドル歌手のような朴葵姫が登場していた。

あまりにも子供のようだったので、レコード会社がアイドルとして売り出してひと儲けしようとしてるんだな、と思った。

司会者も「トレモロ女王」とかなんとかキャッチフレーズをつけてやたらと盛り上げていた。

見てて、「はぁ~」ていう感じだったが、その後のスタジオでの演奏を聞いて、それまでのイメージは一変した。

曲は筆者がクラシック・ギターで最も好きな「アルハンブラの思い出」であったが、その美しく柔らかい音色、滑らかに流れるようなトレモロと非の打ちどころのない完璧な演奏に凄まじい衝撃を感じた。

「アルハンブラの思い出」は、クラシック・ギターでは最重要な曲だからしていろんなバージョンを聞いてはきたが、これほど素晴らしい演奏はなかった。

朴葵姫(パク・キュヒ)の「アルハンブラの思い出」を聞いて、それまでの「アルハンブラの思い出」はすべて吹っ飛んでしまった。

大変なギタリストが現れた。

早速、「アルハンブラの思い出」が収録されているCDを探し出して購入したのが、この「スペインの旅」である。

2012年の発表。

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「スペインの旅」は、朴葵姫(パク・キュヒ)の名盤

収録曲は、すべてスペインの作曲家によるものである。

どの演奏もNHKでの印象通りの素晴らしいもので、「スペインの旅」は筆者にとっては久しぶりのクラシック・ギターの名盤である。

スペインの曲というと情熱とか郷愁をイメージさせるが、朴葵姫(パク・キュヒ)が弾くスペインの曲には、それに優しさというか癒しのようなものが加わっているいような印象を受ける。

スペイン臭さというものは後退するものの滑らかに歌うようなその演奏が聞き手を包み込む、とでも言ったらいいのだろうか?

元来発した音は減衰していく、つまり途切れやすいクラシック・ギターの音やフレーズをこれほどつないで歌うように弾くというのは大変な技術である。

朴葵姫(パク・キュヒ)の真骨頂はここにあると思う。

そしてもちろん、「アルハンブラの思い出」や「グラン・ホタ」など、トレモロも素晴らしい。

一音一音が粒揃いで、やはり流れるように続いていく。

音色の柔らかさもさることながら、クラシック・ギター特有のカシャカシャというノイズも極端に少ない。

レガートで美しい音色、あの大指揮者カラヤンが頭に浮かんだ。

とんでもない才能が現れたものだ。

まとめ

こうして朴葵姫(パク・キュヒ)は、筆者にとってのNo1クラシック・ギタリストになった。

コンサートにも何度も足を運んだが、その柔らかい音色とトレモロ、歌うギターには毎回感動させられる。

その優しさに包まれた空気は唯一無二の世界である。

クラシック・ギターが持つ素朴さや温もりをこれほどうまく表現しているギタリストもそうそういないのではないか?

朴葵姫(パク・キュヒ)の「スペインの旅」は、クラシックのファンだけでなく、一般リスナーも疲れて帰ってきた時などに聞くのにもおすすめの名盤である。

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