山下和仁の「アランフェス協奏曲」はじめてのクラシック・コンサート

クラシック・ギターのレッスンに通っていると、当然のことながら、クラシックのコンサートの情報が入ってくる。

当時、少年は、二十歳であったが、ディープ・パープルに触発されてクラシックを聞き始めたもののクラシックのコンサートというのは未体験であった。

そんな時、当時、住んでいた街のオーケストラの定期演奏会にあるギタリストが客演することになった。

そのギタリストが山下和仁で、曲は、「アランフェス協奏曲」であった。

クラシックのギタリストに関してはまったく無知であったが、先生がぜひ聞いておいたほうがいいと言うので、出かけることにした。

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新鮮だったはじめてのクラシック・コンサート

はじめてのクラシック・コンサート、客席からの眺めは壮麗というか豪華というかそんな感じがした。

山下和仁の「アランフェス協奏曲」は2曲目で、1曲目はオーケストラのみの演奏であったが、サウンドは、レコードで聞くより柔らかく、澄んだ水のようだった。

ロックの場合はどうしてもノイズが出てしまうが、クラシック・コンサートの場合、すべてが生音だから本当の楽器そのものの音が鳴っている。

指揮者もオーケストラも正装で格式の高さというかそいうものを感じた。

何もかもが新鮮だった。

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衝撃だった山下和仁の「アランフェス協奏曲」

そしていよいよ山下和仁の登場である。

曲は、J.ロドリーゴの名曲「アランフェス協奏曲」だ。

哀愁のある第2楽章が有名だが、驚いたのはギターの音量である。

通常、クラシック・ギターの音量はどうしても小さく、オーケストラといっしょに演奏した場合、埋もれてしまうのだが、山下和仁の場合はそれがない。

というか後々知るのだが、クラシック・ギターとオーケストラがいっしょに演奏する時はマイクをセッティングして音を増幅するらしいのだが、山下和仁の場合は100%生音だった。

しかも余裕でホールに響き渡っている。

これはもう衝撃であった。

先生に聞いたのだが、やはりこの音量は尋常ではないらしい。

他のギタリストが手に入れたいと思ってもそうはいかないのだ。

山下和仁の大きなアドバンテージであり、長所であろう。

技術も凄かった。

聞いた限り、ノー・ミスである。

録音したものならともかくコンサートの生演奏でここまで完璧とは正直信じられなかった。

前回のスーパー・ギター・トリオでも感じたのだが、メカニックなテクニックがとにかく安定していて、正確性が抜群だ。

正直なところ、ロック系はどう逆立ちしてもかなわないなと感じた。

そして、強弱のつけ方、音色のコントロールなどクラシック・ギターによる表現というのをはじめて目の当たりにした。

名曲「アランフェス協奏曲」を朗々と歌い上げる。

うーん、とてもマネできない。

なんか次元の違うものを見ちゃったなと思った。

感情移入のあまり、椅子から浮き上がったり、ボディーに頭が覆いかぶさったり、と座っているのにアクション(?)もなかなかのものだった。

山下和仁のCD「アランフェス協奏曲」収録曲と演奏者

山下和仁の「アランフェス協奏曲」はコンサートで衝撃的な体験をしていたが、当時は残念ながら録音したものはリリースされていなかった。

しばらくして、満を持して発売されたのが、このCDだった。

「アランフェス協奏曲」の他に同じくロドリーゴの名曲「ある貴紳のための幻想曲」とL.バークリーの「ギター協奏曲」も収録されている。

コンサートと同じというわけにはいかないが、ここでも山下和仁のダイナミックで情感豊かな演奏を聞くことができる。

J.ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」 山下和仁

 

 

 

 

 

 

 

J.ロドリーゴ
1. アランフェス協奏曲 I.Allegro con spirito
2. アランフェス協奏曲 II.Adagio
3. アランフェス協奏曲 III.Allegro gentile

L.バークリー
4. ギター協奏曲 Op.88 I.Andantino
5. ギター協奏曲 Op.88 II.Lento
6. ギター協奏曲 Op.88 III.Allegro con brio

J.ロドリーゴ                         
7. ある貴紳のための幻想曲 I.Villano y Ricercare
8. ある貴紳のための幻想曲 II.Espanoleta e Fanfare de la Caballeria de Napoles
9. ある貴紳のための幻想曲 III.Danza de las Hachas
10. ある貴紳のための幻想曲 IV.Canario

ギター:山下和仁                                             指揮:ジャン=フランソワ・パイヤール
オーケストラ:パイヤール室内管弦楽団

まとめ

結局、この夜の衝撃は一生忘れられない思い出になった。

その後、少年も学業が多忙になり、クラシック・ギターのレッスンは1年弱でやめてしまい、音楽からもしばらく遠のいてしまうのだが、山下和仁はどうしているのだろうか?

最近、名前をとんと聞かなくなった。

また、近くでコンサートがあれば出かけるのだが…。

コンサート後は山下和仁のレコードを聞きまくりだった。

これだけの衝撃を受けたのだから、当然といえば当然のことだった。

しばらくしてこの夜の演奏曲「アランフェス協奏曲」が新たに録音して発売された時は、すぐさまレコード店に買いに走ったのをよく覚えている。

もうひとつのギター協奏曲の名曲「ある貴紳のための協奏曲」といっしょに入っているので興味のある方にはぜひ、御一聴をおすすめしたい。

そして、翌年、少年は、さらなる衝撃を体験する。

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