天才フラメンコ・ギタリスト・カニサレスの「アランフェス協奏曲」!

「ベルリン・フィル~ヨーロッパ・コンサート 2011 」 カニサレス
                                                   

 

 

 

 

 

 

 

 

1. シャブリエ:狂詩曲『スペイン』
2. ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
3. ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 Op.27

ギター:カニサレス(アランフェス協奏曲)
指揮:サイモン・ラトル                                       ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

2011年5月1日 スペイン マドリード・レアル劇場 (ライヴ)  

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フラメンコ・ギタリスト カニサレスとの出会い

パコ・デ・ルシア亡き後、現代のフラメンコ・ギタリストとしては、だれがいいんだろうなと思っていた頃、新聞広告にカニサレスの来日公演を見つけた。

演奏予定曲として、「アランフェス協奏曲」フラメンコの曲を演奏するらしい。

カニサレスという名ははじめて聞いたが、フラメンコ・ギタリストが「アランフェス協奏曲」を弾くという珍しさもあり、動画をチェックしてみることにした。

そして、発見したのがカニサレスが弾く「アランフェス協奏曲」だった。

見てまず驚いたのは、バックがサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルであるということ。

このクラスのオーケストラになると優秀なソリストとしか共演しないだろうから、カニサレスがどれほど大物なのかも推測できる。

一発で気に入ってしまい、早速、この演奏のDVD「ベルリン・フィル ~ ヨーロッパ・コンサート 2011 」を購入した。

2013年の発表。

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フラメンコの香り漂うカニサレスならではの「アランフェス協奏曲」

このDVDは、コンサートの模様を曲順通りに収録したもので、「アランフェス協奏曲」は、2曲目に収録されている。

「アランフェス協奏曲」は、ほとんどがクラシックのギタリストによるものであるが、フラメンコの香りも漂うこの曲がフラメンコ・ギタリストと相性が悪いはずもない。

しかもかなりアグレッシブな演奏になるだろうと予想していた。

第一楽章冒頭から、明らかにクラシックのギタリストとは違う、リズムのオーソリティならではの右手の冴えを見せてくれている。

ラスゲアードというんだったか、フラメンコ・ギターのピッキングならではの味わいだ。

そして、第二楽章では、哀愁のあるあのメロディーを1音1音丁寧に刻み込むように歌い、後半の盛り上がりでは、持ち前のテクニックを生かして一気に畳み掛けてくる。

静と動の対比、緩急自在の演奏にこちらも引き込まれる。

そして、第3楽章終了まで、正直なところ、フラメンコ・ギタリストとは思えないくらいの緻密さを持ち合わせた素晴らしい演奏であった。

後で調べてわかったのだが、クラシックにも造詣があり、譜面もバッチリのようだ。

ギターもこの曲に合わせてフラメンコ・ギターとクラシック・ギターのいいとこ取りしたような特注品を使用しているそうだ。

まさにカニサレスだけのオリジナル感満載の「アランフェス協奏曲」の誕生である。

それともうひとつ特筆すべきなのがサイモン・ラトルとベルリン・フィルである。

このアンサンブルのクリアーさ、精密なサウンドは想像を絶するものであった。

これだけの人数であるにもかかわらず、まるで室内楽のようなドンピシャな演奏なのである。

強奏の部分でもまったく乱れないのは驚異的ですらある。

まとめ

今回は、カニサレスがテーマなので、他の収録曲に関しては触れなかったが、この「アランフェス協奏曲」のためだけにでも買う価値が十分にあると思う。

カニサレスの経歴を見ると長い間、パコ・デ・ルシアのバンドのセカンド・ギタリストを務めている。

必要な時には、譜面の読めないパコの力にもなっていたらしい。

パコの閃き豊かな「アランフェス協奏曲」に対して、カニサレスの場合はフラメンコのパッションを感じさせながらも抑制の効いた知的な「アランフェス協奏曲」という印象を受ける。

いずれにしても新しい名盤の誕生であることに間違いないだろう。

このDVDを見た筆者は、カニサレスの来日公演にも足を運んだが、やはりライブでもその印象通りの演奏を聞くことができた。

クラシックのギタリストが演奏することが多い「アランフェス協奏曲」において、ひときわ異彩を放つ存在であろう、

この「ベルリン・フィル ~ ヨーロッパ・コンサート 2011 」は、クラシックやフラメンコのファンだけでなく、多くの方に聞いて欲しい作品である。

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