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ホワイトスネイクのスリップオブザタング30周年記念盤SDEの感想

ホワイトスネイク最大のヒットとなったモンスター・アルバム「サーペンス・アルバス~白蛇の紋章~」に続いて1989年にリリースされた「スリップオブザタング」が発売30周年を迎え、リマスター盤がリリースされた。

30周年記念盤には、1CDや2CDなど、さまざまなバージョンでリリースされているが、目玉となるのはやはり未発表曲や未発表バージョンが満載の6CD+DVDの7枚組スーパー・デラックス・エディションだろう。

今回は、ホワイトスネイクのスリップオブザタング30周年記念スーパー・デラックス・エディションの感想を綴ってみたいと思う。

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ホワイトスネイクのスリップオブザタング30周年記念盤SDEの感想

「スリップオブザタング」発売当初、まず驚いたのが、ギタリストのスティーヴ・ヴァイの加入とエイドリアン・ヴァンデンバーグの左腕の負傷のよるレコーディング不参加だ。

ブルースをベースにするホワイトスネイクにスティーヴ・ヴァイは水と油のイメージがあったが、仕上がった「スリップオブザタング」を聞いた第一印象は、違和感というよりはカラッとした湿り気のないサウンドというものだった。

さわやかとまではいかないがブルース色が薄くなったのは事実で、エイドリアン・ヴァンデンバーグがプレイしていないことが影響しているのだろうと感じた。

スティーヴ・ヴァイはホワイトスネイクに加入した初めてのアメリカ人ギタリストである。

この「スリップオブザタング」までは、ホワイトスネイクのギタリストはすべてヨーロッパ人、「スリップオブザタング」以降はエイドリアンを除き、すべてアメリカ人という極端なものになっている。

そのせいなのだろう、この「スリップオブザタング」以降、エイドリアンがプレイしたものは除き、ホワイトスネイクのアルバムはアメリカナイズされた作風になっているような気がする。

スティーヴ・ヴァイがどうのこうのというよりも、「スリップオブザタング」は、以前のブリティッシュ・ハードロック・バンドからアメリカン・ハードロック・バンドに脱皮しようとする分岐点だったような気がしてならない。

CD1:スリップ・オブ・ザ・タングの2019リマスター

CD1には、「スリップ・オブ・ザ・タング」の2019年最新リマスター音源にBサイド曲やオルタネイト・ミックスなどボーナス・トラック7曲が追加収録されている。

オリジナルでは3曲目に収録されていた「Fool For Your Loving」が本編ラストの10曲目に変更されている。

デイヴィッド・カヴァーデール自身は、「Fool For Your Loving」を再録するのは本意ではなかったのではないかと思うような曲順変更だが、本当のところはわからない。

収録曲
1. Slip Of The Tongue
2. Kittens Got Claws
3. Cheap An’ Nasty
4. Now You’re Gone
5. The Deeper The Love
6. Judgment Day
7. Sailing Ships
8. Wings Of The Storm
9. Slow Poke Music
10. Fool For Your Loving

ボーナストラック:B-Sides and Alternate Mixes
11. Sweet Lady Luck(シングル B-サイド) 
12. Now You’re Gone(クリス・ロード・アルジ・シングル・リミックス)
13. Fool For Your Loving(ヴァイ・ヴォルテージ・ミックス)
14. Slip Of The Tongue(オルタネイト・イントロ&ブレイクダウン)
15. Cheap An’ Nasty(オルタネイト・ソロ&エンド)
16. Judgment Day(オルタネイト&エクステンデッド・ソロ)
17. Fool For Your Loving (オルタネイト・AOR・ミックス)

CD2:スリップ・オブ・ザ・タング:ザ・ワギング・タング・エディション

CD2の「スリップ・オブ・ザ・タング:ザ・ワギング・タング・エディション」には、1989年当時にプロモーション用に配布されたデイヴィッド・カヴァーデールによる楽曲コメント音声と楽曲が収録されている。

今回の30周年記念が、初CD化となる。

CD3:Evolutions: Demos/Remixes/Re-records

CD3には、デモ音源やリミックス、リ・レコーディング音源などが収録されているが、全曲未発表音源の貴重なバージョンだ。

アレンジ違いなどもあって、なかなか興味深い。

CD4:モニター・ミックス, April 1989

CD4には、1989年のレコーディング時のモニター・ミックス音源を収録しているが、こちらも全曲未発表音源となる。

アルバム収録曲と「Sweet Lady Luck」の他に、「Parking Ticket」「Kill For The Cut」という未発表曲、「Ain’t Gonna Cry No More」のインスト・バージョン、ヴァンデンバーグの「Burning Heart」のリメイク・セッション、「We Wish You Well」の新録バージョンなどが収録されている。

個人的に最も楽しみにしていたのが、「Burning Heart」のリメイクと「We Wish You Well」の新録バージョンだった。

しかし、「Burning Heart」はデイヴィッド・カヴァーデールがさわりしか歌ってないので、少々がっかり。

「We Wish You Well」の新録バージョンはいい出来で、この曲の良さを再認識させてくれたが、さすがにオリジナルを超えるほどではなく本編未収録も仕方がないかといったところである。

CD5:A Trip To Granny’s House: Session Tapes, Wheezy Interludes & Jams

CD5には、楽曲制作のプロセスを垣間見せてくれるセッション・テープやジャム音源が多数収録されているが、こちらも全曲未発表音源となる。

スタジオでのセッション風景など、リラックスしながらも普段のホワイトスネイクでは聞くことができないようなプレイも聞けてマニアには喜ばれるディスクではないかと思う。

CD6:ライヴ・アット・ドニントン1990

CD6は、1990年のモンスターズ・オブ・ロック・フェスティヴァルでのライヴ音源を収録している。

収録曲
1. Slip Of The Tongue
2. Slide It In
3. Judgment Day
4. Slow An’ Easy
5. Kittens Got Claws
6. Is This Love
7. Cheap An’ Nasty
8. Crying In The Rain
9. Fool For Your Loving
10. Here I Go Again
11. Bad Boys
12. Ain’t No Love In The Heart Of The City
13. Still Of The Night

DVD:ライヴ・アット・ドニントン1990、プロモーション・ビデオ、他

DVDには、1990年のモンスターズ・オブ・ロック・フェスティヴァルでのライヴ音源に加えミュージック・ビデオや最新インタビュー映像などが収録されている。

「ライヴ・アット・ドニントン1990」
1. Slip Of The Tongue
2. Slide It In
3. Judgment Day
4. Slow An’ Easy
5. Kittens Got Claws
6. Adagio For Strato
7. Flying Dutchman Boogie
8. Is This Love
9. Cheap An’ Nasty
10. Crying In The Rain (featuring Tommy Aldridge Drum solo)
11. Fool For Your Loving
12. For The Love Of God
13. The Audience Is Listening
14. Here I Go Again
15. Bad Boys
16. Ain’t No Love In The Heart Of The City
17. Still Of The Night
18. End Credits: We Wish You Well

Promo Videos(プロモ・ビデオ) 
19. Fool For Your Loving – Music Video
20. Now You’re Gone – Music Video
21. The Deeper The Love – Music Video

Bonus Features(ボーナス映像) 
22. Sweet Lady Luck – Purplesnake Video
23. Behind the Scenes: The Making of Slip Of The Tongue
24. A Look Back: Whitesnake Chronicles with DC & Adrian Vandenberg

ホワイトスネイクのスリップオブザタング30周年~まとめ

今回は、ホワイトスネイクのスリップオブザタング30周年記念スーパー・デラックス・エディションの感想を綴ってきた。

大ヒットしたアルバム「サーペンス・アルバス~白蛇の紋章~」に続くアルバムだけに「スリップオブザタング」には相当なプレッシャーがあったはずだが、後のホワイトスネイクを見るとアメリカナイズという点で、大きな分岐点になったアルバムといえると思う。

スティーヴ・ヴァイが弾いている云々よりも、アメリカ人がプレイしていることがアルバムの色彩を決定づけているような気がしてならない。

「スリップオブザタング」は80年代の最後を飾るとともに、ホワイトスネイクの未来を見据えた問題作だったように思う。

ホワイトスネイクのスリップオブザタング30周年記念スーパー・デラックス・エディションはマニアが喜ぶレアな音源(CD3・4・5あたり)が多数、収録されているのが魅力的だが、値段を考えると2CDあたりが妥当なところか。

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