レインボー6回目の来日公演は1984年3月に東京と大阪で行われた。
結果的には当時のレインボーとしての最後の来日公演となったわけだが、当然のことながらそれを知る者はほとんどいなかった。
まさかこの1年後にディープ・パープルとして来日するとはだれが予想しただろうか。
わずか2都市3公演とレインボーの来日公演史上、最少の規模となった来日公演1984のセトリとメンバーはどうだったのか?
また、この来日公演1984を収録したCD・DVDはリリースされているのか?
今回は、レインボー来日公演1984の日程と会場・メンバー・セトリ、CD・DVDなどについて見ていきたいと思う。
レインボー来日公演1984の日程と会場・メンバー
後期レインボーの最高傑作「ストリート・オブ・ドリームス(Bent Out Of Shape)」に伴うツアーだった来日公演1984であるが、東京と大阪のみ3公演という少なさから当時は筆者も違和感を持ったのだが、舞台裏ではまさかディープ・パープル再結成がほぼ決まっていたなんて夢にも思わなかった。
メンバーの中で来日公演がレインボーのラスト・ライヴになることを知っていたのはリッチー・ブラックモアとロジャー・グローヴァーのみで、あとの3人には知らされていなかった。
この最後の来日公演1984の特徴としては、
・オーケストラとの共演(1984年3月13・14日)
・リッチー・ブラックモアのマーシャル・アンプがそれまでの黒から白に変わったこと
・セトリから初期レインボーの曲がほとんど消えたこと
・「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のアレンジが変わったこと
などがあげられる。
もはや70年代レインボーとは別のバンドとなってしまったが、この来日公演1984はレインボーの総決算であったといえるだろう。
レインボー”Bent Out Of Shape”Tour1984の日程・会場
1984年3月11日(日) 大阪・大阪城ホール
1984年3月13日(火) 東京・日本武道館
1984年3月14日(水) 東京・日本武道館
メンバー
リッチー・ブラックモア:ギター
ジョー・リン・ターナー:ヴォーカル
ロジャー・グローヴァー:ベース
デイヴ・ローゼンサル:キーボード
チャック・バーギ:ドラムス
レインボー来日公演1984のセトリ
続いて、レインボー来日公演1984のセトリを見ていきたいと思う。
前述したように初期レインボー(ロニー時代)の曲がほとんど消え、わずかに「虹をつかもう 」の1曲のみ。
セトリは、ほとんど後期レインボーのベスト選曲といっていいだろう。
ここで紹介しているセトリは最終日となった3月14日の日本武道館のセトリだが、来日公演3日間の違いとしては、前日の13日には「Stone Cold」が加わっており、逆に11日の大阪公演では多少曲順が異なり、「ストリート・オブ・ドリームス 」はセトリから外され、オーケストラとの共演もなしとなっている。
大阪のファンには割の合わない来日公演だったかもしれない。
レインボー来日公演1984のセトリ
1. イントロ:「トッカータとフーガ ニ短調」~虹の彼方に
2. スポットライト・キッド
3. ミス・ミストゥリーテッド
4. アイ・サレンダー
5. キャント・ハプン・ヒア
6. 虹をつかもう
7. パワー
8. キーボード・ソロ
9. ストリート・オブ・ドリームス
10. フール・フォー・ザ・ナイト
11. 治療不可(ベートーヴェン交響曲第9番)
12. ギター・ソロ
13. ドラム・ソロ
14. ブルース
15. ストランデッド~ヘイ・ジョー~ストランデッド
16. デス・アレイ・ドライヴァー
17. ファイアー・ダンス
18. メイビー・ネクスト・タイム
19. オール・ナイト・ロング~ウーマン・フロム・トーキョー~オール・ナイト・ロング
20. レイジー
21. シンス・ユー・ビーン・ゴーン
22. スモーク・オン・ザ・ウォーター
1984年3月14日(水) 日本武道館
レインボー来日公演1984のCD・DVD
幸いなことにレインボー来日公演1984は、「ライヴ・イン・ジャパン1984」としてCD・DVD化されている。
CD・DVD化されているのは最終日の14日の日本武道館公演で、オープニングからクローズジングまで完全収録だ。
長年、廃盤となっていたのだが、近年リマスターされグレードアップして再発売されている。
ハイライトとなった「治療不可(Difficult To Cure)」のバックにオーケストラとの共演というスペシャル・ライヴが映像作品として残されているのはうれしい限りだ。
「ライヴ・イン・ジャパン1984」
レインボー来日公演1984のセトリとメンバー~まとめ
今回は、レインボー来日公演1984の日程と会場・セトリ、CD・DVDなどについて見てきた。
レインボー最後の来日公演1984は、日程と会場は武道館と大阪城ホールのわずか2都市3公演だったが、オーケストラとの共演という最後を飾るにふさわしい演出のあった来日公演であった。
セトリは、初期の曲が1曲のみで後期レインボーのベスト選曲で構成されており、最終日の武道館公演は「ライヴ・イン・ジャパン1984」としてCD・DVD化されている。
一応の有終の美を飾った最後の来日公演1984であるが、リッチー・ブラックモアとロジャー・グローヴァーの気持ちはすでにディープ・パープルに向いていたのは間違いないだろう。
当時はレインボーが限界だったとは思わなかったし、再結成ディープ・パープルが期待通りだったかというとそうでもなかったので、今思えばもったいない解散だったなと感じてしまう。
好みはいろいろあってもレインボーの総決算の来日公演であった。
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