ディープ・パープルといえば第2期が黄金時代として知られているが、解散の危機を乗り越えて発表されたアルバム「紫の炎・バーン」は、第3期メンバーによる起死回生の押しも押されぬ名盤である。
メンバーチェンジして新鮮な気持ちで新たな方向へ向かうディープ・パープルの渾身のアルバムに仕上がっている。
ディープ・パープル屈指の名曲でもある「紫の炎(Burn)」を収録したこの名盤は、どんなアルバムなのだろうか?
今回は、第3期メンバーによるディープ・パープルの名盤「紫の炎・バーン」の感想を綴ってみたいと思う。
ディープ・パープル「紫の炎・バーン」
黄金時代と呼ばれる第2期ディープ・パープルから、ヴォーカルのイアン・ギランとベースのロジャー・グローヴァーの2人のメンバーが脱退し、バンドは存続の危機を迎える。
しかし、新たにヴォーカルにデイヴィッド・カヴァーデール、ベースにグレン・ヒューズというフレッシュなメンバーを迎え、第3期ディープ・パープルとして再出発する。
そして、満を持して発表されたアルバムが「紫の炎・バーン」である。
収録曲はわずかに8曲と今の時代から見れば少ないが、オープニングからクロージングまで、緊張感のある名盤だ。
バンドの意向通り、第2期に比べてややブルース色の濃いアルバムとなった。
泣く子も黙る(?)名曲「紫の炎(Burn)」が収録されたアルバム「紫の炎・バーン」の収録曲とメンバーは、以下の通り。
「紫の炎・バーン」 ディープ・パープル
収録曲
1.紫の炎(Burn)
2.テイク・ユア・ライフ(Might Just Take Your Life)
3.レイ・ダウン、ステイ・ダウン(Lay Down、Stay Down)
4.セイル・アウェイ(Sail Away)
5.ユー・フール・ノー・ワン(You Fool No One)
6.ホワッツ・ゴーイング・オン・ヒア(What’s Going on Here)
7.ミストゥリーテッド(Mistreated)
8.”A”200
メンバー
ギター:リッチー・ブラックモア
ヴォーカル:デイヴィッド・カヴァーデール
ベース&バッキング・ヴォーカル:グレン・ヒューズ
キーボード:ジョン・ロード
ドラムス:イアン・ペイス
1974年の発表。
ディープ・パープル「紫の炎・バーン」の感想
ディープ・パープル「紫の炎・バーン」は、メンバーを一新してスタートしたディープ・パープル第3期メンバーによる新たな名盤であるが、それは何といってもオープニングの名曲「紫の炎(Burn)」による部分が大きいと思う。
初めてこのアルバムを聞いた時、LPレコードに針を落として名曲「紫の炎(Burn)」のあのリフが聞こえてきた瞬間に「これはイケる!」と思ったものだ。
このアルバムは、名曲「紫の炎(Burn)」によって名盤にまで上り詰めたといっても過言ではない。
もしもこのアルバムに名曲「紫の炎(Burn)」が収録されていなかったなら、評価は第2期のアルバム「ファイアボール(Fireball)」や「紫の肖像(Who Do We Think We Are)」、第3期の「嵐の使者(Stormbringer)」と同程度の評価にとどまっていたかもしれない。
これまでいろいろなバンドが「紫の炎(Burn)」をカバーしてきたが、やはりオリジナルのバージョンが一番だなと思う。
ディープ・パープル「紫の炎・バーン」のおすすめの曲
とはいえ、収録曲の中で「紫の炎(Burn)」だけが名曲であるわけではない。
「レイ・ダウン、ステイ・ダウン(Lay Down、Stay Down)」「ユー・フール・ノー・ワン(You Fool No One)」「ミストゥリーテッド(Mistreated)」などはライブでも演奏され、第3期ディープ・パープルのライブでの重要なレパートリーとなっている。
特におすすめなのがヘヴィなブルース・ナンバーの「ミストゥリーテッド(Mistreated)」で、デイヴィッド・カヴァーデールのソウルフルな魅力が全開の名曲だ。
リッチー・ブラックモアが第3期ディープ・パープルを始めるにあたって、「もっとブルース・バンドにしたい」と言った言葉を象徴するような名曲ではないだろうか。
「ミストゥリーテッド(Mistreated)」は、ディープ・パープル解散後のレインボーやホワイトスネイク、ソロ活動でグレン・ヒューズも演奏していたぐらいだから、メンバーもいかに気に入っていたかがわかるというものだ。
ディープ・パープル「紫の炎・バーン」の感想~まとめ
今回は、第3期メンバーによるディープ・パープルの名盤「紫の炎・バーン」の感想を綴ってみた。
第3期メンバーによってディープ・パープルはややブルース色の強いバンドに生まれ変わり、その結果生まれたのが、名盤「紫の炎・バーン」である。
泣く子も黙る名曲「紫の炎・バーン」から第3期ディープ・パープルを象徴するかのようなヘヴィなブルース・ナンバーの「ミストゥリーテッド(Mistreated)」などがおすすめだ。
ディープ・パープルといえば第2期が黄金時代として捉えられているが、このアルバム「紫の炎・バーン」はその黄金時代に肩を並べる第3期の名盤として位置付けられるだろう。
もしも第2期ディープ・パープルしか聞いていないファンがいたら必聴だ。
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