数々の名曲を生み出してきたマイケル・シェンカーだが、近年ますます精力的な活動を続けておりファンにとっては本当に嬉しい限りだ。
UFOでワールドワイドに知名度が上がり、その後MSGで自身のバンドを率いるようになったマイケル・シェンカーのキャリアは長い。
その長いキャリアの中で、おすすめの名曲はどんな曲があるだろうか?
今回は、マイケル・シェンカーのおすすめの名曲をUFO・MSG別でランキングしてみた。
マイケル・シェンカーのおすすめの名曲
1955年1月10日生まれのマイケル・シェンカーは、1972年17歳で「スコーピオンズ」でデビューして以来、キャリアは50年近い。
今回、マイケル・シェンカーのおすすめの名曲をUFO・MSG別でランキングしてみたが、選んだ曲は70年代と80年代に集中するという結果になってしまった。
マイケル・シェンカーの全盛期が70~80年代であることは疑う余地がないのは事実だが、それにしてもかなり偏ったランキングになってしまった。
もちろん90年代以降の曲にもいいものはあるが、70~80年代の曲と比較すると個人的にはどうしてもインパクトが薄い印象を受けてしまう。
そして、選んだ曲は70年代のUFOから10曲、80年代のMSGから10曲ずつで、ずいぶんと極端だが、ある意味では究極の名曲だと思うから参考にしていただければ幸いだ。
マイケル・シェンカーのおすすめの名曲~UFO
まず、UFOからの10曲であるが、1位と2位は不動であろう。
どちらが1位か2位かはたいした問題ではなく、ともにマイケル・シェンカー、いやロックの名曲として外せない曲だ。
3位以下もほとんどの曲がUFOのライブには欠かせない代表曲ばかりで、唯一6位の「リップスティック・トレーシス」だけが異色といえる。
80年代のMSGの曲と比較すると、よりバンド・アンサンブルを重視した曲が多い印象を受ける。
なお、「リップスティック・トレーシス」以外は、UFOの傑作ライブアルバム「UFOライブ-ストレンジャーズ・イン・ザ・ナイト」に収録されているので、1枚のアルバムで聞きたい方はこちらがおすすめだ。
UFOのおすすめ名曲ランキング①~ドクター・ドクター
1974年発表の「現象(Phenomenon)」に収録。
UFOのおすすめ名曲ランキング1位は、「ドクター・ドクター」であるが、2位の「ロック・ボトム」とどちらかでとても迷った。
どちらでもよかったが、結局、よりマイケル・シェンカーらしい独特の雰囲気がイントロから漂うという理由で「ドクター・ドクター」を選んだ。
アルペジオのイントロに哀愁漂うギターソロが乗り続いてメインリフ(?)が始まり、中間部分にはギターソロがないという構成も独特で不思議な曲だが、とにかく理屈抜きで最高の名曲。
UFOのおすすめ名曲ランキング②~ロック・ボトム
1974年発表の「現象(Phenomenon)」に収録。
Eマイナーの開放弦を活かしたリフが典型的で、ロックの最高のノリを引き出していで心地いい。
しかし、最大の聞きどころはギターソロで、起承転結がはっきりしたプレイはマイケル・シェンカーの独壇場だ。
ライブではよりエキサイティングで、ギターソロがインプロヴァイズされた長尺版となり、さらにスリリングな展開となる。
UFOのおすすめ名曲ランキング③~ライツ・アウト
1977年発表の「新たなる殺意(Lights Out)」に収録。
「ロック・ボトム」同様にUFOのライブではハイライトのひとつともいえる名曲。
歌詞の「ロンドン」という箇所をライブ会場の街に変える演出もあって特にライブで盛り上がる曲で、聞きどころは中間部とエンディングのマイケル・シェンカーのスリリングなギターソロに尽きる。
UFOのおすすめ名曲ランキング④~ラヴ・トゥ・ラヴ
1977年発表の「新たなる殺意(Lights Out)」に収録。
キーボードの印象的なイントロで始まりバラード調で、中間部のギターソロもメロディアスだが、一転エンディングに向けての劇的なギターソロの展開はまさにマイケル・シェンカーの面目躍如といった感じだ。
後半の盛り上がるところが最大の聞きどころの名曲といえる。
UFOのおすすめ名曲ランキング⑤~レット・イット・ロール
1975年発表の「フォース・イット」に収録。
イントロはギターのフィードバックからハードに始まるが、ギターソロは途中から一転してテンポダウンして非常にメロディアスなものになる。
ここがこの曲の最大の聞きどころだろう。
ギターソロはなおも劇的な展開を見せて、その後再び曲はハードな曲調に戻りエンディングを迎える。
UFOのおすすめ名曲ランキング⑥~リップスティック・トレーシス
1974年発表の「現象(Phenomenon)」に収録。
筆者の記憶では、「スーパーロック84」がライブでの初めての演奏だった曲だが、マイケル・シェンカーもお気に入りのメロディアスなインストゥルメンタルの小品。
今ではライブで演奏されることは少なくなったが、「スーパーロック84」におけるアレンジを変えたエレクトリック・バージョンもなかなかよくて捨てがたい。
UFOのおすすめ名曲ランキング⑦~オンリー・ユー・キャン・ロック・ミー
1978年発表の「宇宙征服(Obsession)」に収録。
ロックンロールの典型的なパターンのリフで始まるが、マイケル・シェンカーにしては珍しいメジャー・キーの名曲。
しかし、ギターソロになると短いがいかにもマイケル・シェンカーといったよく歌う美しいメロディーが展開される。
UFOのおすすめ名曲ランキング⑧~シュート・シュート
1975年発表の「フォース・イット」に収録。
UFOにしてはポップな部類に入ると思うが、ノリのよさが光る曲だ。
「シュート、シュート」と観客との合唱で、ライブ映えする。
UFOのおすすめ名曲ランキング⑨~ナチュラル・シング
1976年発表の「ノー・へヴィー・ペッティング」に収録。
ハードなリフから始まる曲で、これもノリのよさが光る曲。
MSG初期も演奏されていた重要なライブでのレパートリーだったが、今ではほとんど演奏されることがなくなった。
UFOのおすすめ名曲ランキング⑩~アイム・ア・ルーザー
1976年発表の「ノー・へヴィー・ペッティング」に収録。
イントロではボトルネックが使用されていて、他のUFOの曲ちはちょっと雰囲気の異なる名曲。
この「イム・ア・ルーザー」ではキーボードが重要な役割を果たしている曲が多いが、ギターソロになるといつものマイケル・シェンカーの世界になる。
マイケル・シェンカーのおすすめの名曲~MSG
続いて、MSGのマイケル・シェンカーのおすすめの名曲を見ていきたいと思う。
MSGを結成する頃は、すでにギタリストとしての地位を確立しており、UFO時代と比較するとよりギターを重視した曲が増えたような気がする。
このあたりの違いは、バンドに加入した立場と自身のリーダー・バンドという違いが曲に表れているのかもしれない。
また、ランキングの10曲は、MSGの1stから4thに集中してしまう結果になってしまったが、それだけこの時期のマイケル・シェンカーは神がかっていたといえる。
10曲はすべて名曲だと思うが、現在のライブであまり演奏されていない曲も多いのが不思議なところで、マイケル・シェンカーとファンとの間に微妙な好みのズレを感じる。
こちらの記事も合わせてどうぞ↓
MSGのおすすめ名曲ランキング①~イントゥ・ジ・アリーナ
1980年発表の「神-帰ってきたフライング・アロウ-」に収録。
MSGのおすすめ名曲ランキング堂々の1位は、「イントゥ・ジ・アリーナ」。マイケル・シェンカーのインストゥルメンタル・トップというだけでなく、ロックのインストゥルメンタルとしても3本指に入る超名曲だと思う。起承転結がはっきりとわかる曲展開はまさにマイケル・シェンカーの世界観がよく表現されていて、40年経った今でもその魅力は色褪せない。
MSGのおすすめ名曲ランキング②~クライ・フォー・ザ・ネーションズ
1980年発表の「神-帰ってきたフライング・アロウ-」に収録。
イントロではギターのリフ~フィードバックで始まり、中間部では22フレットのチョーキングから始まり、ギターとヴォーカルの掛け合いが印象的な名曲。
そして、もうひとつの聞きどころがどんどん盛り上がっていくエンディングのギターソロだろう。
MSGのおすすめ名曲ランキング③~ルッキング・フォー・ラヴ
1981年発表の「神話(MSG)」に収録。
歌メロからギターソロ~エンディングまで、これぞマイケル・シェンカーといった名曲であるにもかかわらず、ライブではずっと演奏されていないのはなぜか?
上述したマイケル・シェンカーとファンとの間の微妙な好みのズレを最も感じる曲である。
特にエンディングにおけるギターソロは涙もので、マイケル節がこれでもかと溢れ出る。
ライブで聞きたい。
MSGのおすすめ名曲ランキング④~オン・アンド・オン
1981年発表の「神話(MSG)」に収録。
キーボードのイントロが幻想的な名曲で、エンディングのギターソロの盛り上がりなど曲の構成は「ルッキング・フォー・ラヴ」と似ているかもしれない。
長くライブでも演奏されてきたが、これも最近しばらく演奏されていない。
ライブでの復活を期待したい名曲だ。
MSGのおすすめ名曲ランキング⑤~アタック・オブ・ザ・マッド・アクスマン
1981年発表の「神話(MSG)」に収録。
イントロ~歌メロ~エンディングまで、マイケル節で埋め尽くされた名曲。
中間部のギターソロはボトルネックを用いてメロディアスに、そしてエンディングでは一転してドラマティックに展開する。
マイケルもお気に入りのようでライブでも定番曲となっている。
MSGのおすすめ名曲ランキング⑥~アソート・アタック
1982年発表の「黙示録(Assault Attack)」に収録。
ヴォーカルが元レインボーのグラハム・ボネットにチェンジしての名曲。
ちょっと普通では思い浮かばないようなリフからグラハムのパワフルな歌が炸裂するが、中間部ではしっかりと作り込まれたギターソロが展開される。
ギターは複数ダビングされているが、一度ライブでもハモリを聞いてみたい。
MSGのおすすめ名曲ランキング⑦~アームド・アンド・レディ
1980年発表の「神-帰ってきたフライング・アロウ-」に収録。
アルバムとともに初期MSGのライブで長くオープニングを飾った名曲。
典型的なハードロックのリフから始まり、ノリのよさは最後まで続くが、ギターソロはやっぱりマイケル・シェンカーそのものだ。
「イントゥ・ジ・アリーナ」と並んでロックギター奏法の基本が詰まっていたことから、当時はロックギターの登竜門といわれていた曲である。
MSGのおすすめ名曲ランキング⑧~レッド・スカイ
1983年発表の「限りなき戦い( Built to Destroy)」に収録。
アルバムのライナーノーツでは伊藤政則氏が大プッシュしていたほどの名曲でありながら、「限りなき戦い( Built to Destroy)」ツアー以降は、なぜか演奏されていないというもったいない曲。
なんとなく「ルッキング・フォー・ラヴ」に近いような印象も受けるが、マイケル自身はこのタイプの曲はあまり好みではないのかと勘ぐってしまう。
MSGのおすすめ名曲ランキング⑨~ビジョー・プレジュレット
1980年発表の「神-帰ってきたフライング・アロウ-」に収録。
バロック・スタイルのアコースティック・ギターによるインストゥルメンタルの小品だが、「イントゥ・ジ・アリーナ」とは対照的な作風で、これもマイケル・シェンカーらしい哀愁が漂う。
決して目立たないが捨てがたい名曲だと思う。
MSGのおすすめ名曲ランキング⑩~ダンサー
1982年発表の「黙示録(Assault Attack)」に収録。
発表当時はMSG史上最もポップな曲と話題になったが、こうして時間が経って改めて聞いてみるとポップかどうかなどどうでもよくて、特に聞きどころのサビのコーラスが印象的でとてもいい曲だと思う。
マイケル・シェンカー・フェストになって初めてライブで演奏された曲で、グラハム・ボネット以外のシンガーたちがコーラスを担当しているというのも豪華な演出だ。
※選曲とランキングは、筆者の個人的なものです。
マイケル・シェンカーのアルバムレビュー記事まとめは、こちらからどうぞ↓
マイケル・シェンカーのおすすめの名曲~まとめ
今回は、マイケル・シェンカーのおすすめの名曲をUFO・MSG別でランキングしてみた。
マイケル・シェンカーのおすすめの名曲は、全盛期の70~80年代のUFOとMSGから各10曲ずつということになったが、UFOはよりバンド・アンサンブルを重視した曲、MSGはギター・オリエンテッドな曲が多い印象だった。
起承転結があるドラマティックでメロディアスなギターソロがマイケル・シェンカーの特徴で、このあたりが日本人にも好まれている理由ではないだろうか。
いつまでも日本に来てほしいし、またの来日公演が楽しみだ。
コメント