マイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い」の感想!ゲイリー・バーデン復帰

マイケル・シェンカー・グループのアメリカ志向が一応の完成形となったのが、このアルバム「限りなき戦い(Built To Destroy)」だ。

曲も洗練され、ギター・プレイもマイケル・シェンカーの絶頂期に当たり、マイケル・シェンカー・グループは当時飛ぶ鳥を落とす勢いであったのは間違いない。

紆余曲折を経てゲイリー・バーデンが復帰してのアルバムだったが、はたしてどんなアルバムだったのだろうか?

今回は、ゲイリー・バーデンの復帰作となったマイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い(Built To Destroy)」の感想を語っていきたいと思う。

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マイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い」

「限りなき戦い(Built To Destroy)」は、「黙示録」に続くマイケル・シェンカー・グループの4枚目のスタジオ・アルバムである。

メンバーもだいぶ固定されてきて安定感はあったが、ゲイリー・バーデンが復帰したり他にも新たなシンガーが加入するなど、ヴォーカルだけは不安定感があったのは確かだった。

時期的には1983年のリリースで、個人的にはマイケル・シェンカー第2の黄金期のラストを飾るアルバムと位置付けている。

マイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い(Built To Destroy)」の収録曲とメンバーは、以下の通り。

「限りなき戦い(Built To Destroy)」 マイケル・シェンカー・グループ

収録曲
1.ロック・マイ・ナイツ・アウェイ(Rock My Nights Away)
2.メイク・ユー・マイン(I’m Gonna Make You Mine)
3.戦争の犬たち(The Dogs Of War)
4.システムス・フェイリング(Systems Failing)
5.キャプテン・ネモ(Captain Nemo)
6.魔性の女(Still Love That Little Devil)
7.レッド・スカイ(Red Sky)
8.タイム・ウェイツ(Time Waits(For No One))
9.ロック・ウィル・ネヴァー・ダイ(Walk The Stage)
以下、ボーナストラック(USミックス)
10.メイク・ユー・マイン(I’m Gonna Make You Mine)
11.タイム・ウェイツ(Time Waits(For No One))
12.システムス・フェイリング(Systems Failing)
13.ロック・ウィル・ネヴァー・ダイ(Walk The Stage)
14.レッド・スカイ(Red Sky)
15.ロック・マイ・ナイツ・アウェイ(Rock My Nights Away)
16.キャプテン・ネモ(Captain Nemo) 
17.戦争の犬たち(The Dogs Of War)
18.魔性の女(Still Love That Little Devil)

メンバー
ギター:マイケル・シェンカー
ヴォーカル:ゲイリー・バーデン
ベース:クリス・グレン
ドラムス:テッド・マッケンナ
キーボード:アンディ・ナイ
ヴォーカル&リズム・ギター:デレク・セント・ホルムズ

1983年の発表。

マイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い」の感想

マイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い(Built To Destroy)」は、前作「黙示録(Assault Attack)」から推し進めてきたアメリカ志向が一応の完成形となったといえるのではないかと思う。

マイケル・シェンカーのギター・プレイはここでも最高だし、曲作りもアメリカ市場を意識しつつもハイレベルで名曲・佳曲が並んでいる。

弱いと感じたのはヴォーカルでゲイリー・バーデンが復帰しているものの、デレク・セント・ホルムズが新しく加入してヴォーカルを取ったりと今ひとつの印象は拭いきれない。

ハイトーンの苦手なゲイリー・バーデンにハイトーンを出さなければならない曲が多いといのも問題で、マイケル・シェンカーも後年、「低中域が得意なゲイリーにハイトーンを求めすぎた」と反省の弁(?)を述べている。

しかし、アルバムの出来は素晴らしく、初期マイケル・シェンカー・グループのラストを飾るにふさわしい名盤に仕上がっている。

マイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い(Built To Destroy)」の感想は、以下のような感じ。

1. ロック・マイ・ナイツ・アウェイ(Rock My Nights Away)
アルバムのオープニングを飾るのはキーボードも目立つポップで軽快な「ロック・マイ・ナイツ・アウェイ(Rock My Nights Away)」で、この時代のM.S.Gを象徴するような曲だ。
マイケル・シェンカーにしては珍しくメジャーキーでさわやかな印象があるが、それでもギター・ソロはマイケルらしいメロディアスなソロが展開されている。
「Built To Destroyツアー」では2曲目に演奏されていた。

2. メイク・ユー・マイン(I’m Gonna Make You Mine)
「ロック・マイ・ナイツ・アウェイ(Rock My Nights Away)」に続いてポップな曲だが歌メロもいいし、なかなかカッコいい曲だと思う。
ライブではエンディングのギター・ソロも長くてさらにいい。

3. 戦争の犬たち(The Dogs Of War)
イントロからアメリカンな雰囲気が強いのがこの「戦争の犬たち(The Dogs Of War)」だが、マイケル・シェンカーがギターを弾けばソロはやはり別世界だ。
カラッと明るいようで途中からマイナー調になったり独特な曲に感じる。

4. システムス・フェイリング(Systems Failing)
4曲目となる「システムス・フェイリング(Systems Failing)」もポップで軽快なノリが心地良いが、ヴォーカルのゲイリー・バーデンのハイトーンがさすがに苦しそうだ。
マイケル・シェンカーのメロディアスでカチッとしたシステマチックなギター・ソロはらしくて最高!

5. キャプテン・ネモ(Captain Nemo)
「限りなき戦い(Built To Destroy)」唯一のインストゥルメンタル・ナンバーで、「Built To Destroyツアー」ではオープニングを飾った。
オクターブを生かしたアクロバティックなイントロのリフから名曲「イントゥ・ジ・アリーナ(Into The Arena)」を彷彿とさせる曲展開で、マイケル・シェンカーらしい起承転結がはっきりと表れている。
それにしてもこんなイントロは常人では思い浮かびそうにない。

6. 魔性の女(Still Love That Little Devil)
USミックスでは新加入のデレク・セント・ホルムズがヴォーカルで活躍している曲で、ゲイリー・バーデンの苦手なハイトーンのパートを歌っている。
カッティングをやったりと従来のマイケル・シェンカーらしさとは異なるプレイもあって、今までのM.S.Gとは異質な曲だ。

7. レッド・スカイ(Red Sky)
イントロからエンディングのギター・ソロまで、いかにもマイケル・シェンカーという曲がこの「レッド・スカイ(Red Sky)」だが、どういうわけか、筆者の記憶では「Built To Destroyツアー」以来、演奏されていない。
個人的には、この「限りなき戦い(Built To Destroy)」の中でも出色の1曲だと思う。

8. タイム・ウェイツ(Time Waits(For No One))
アルバムの中でもM.S.Gの中でもかなり目立たない曲だが、改めて聞いてみるとこの時期はマイケル自身もかなり試行錯誤していたのではないかと思わせる。
ライブでも1度も演奏されていないはず。

9. ロック・ウィル・ネヴァー・ダイ(Walk The Stage)
アルバムのラストを飾るのは、なかなかスケールの大きなバラード曲の「ロック・ウィル・ネヴァー・ダイ(Walk The Stage)」だ。
渋い曲でライブ映えすると思うのだが、この曲も「Built To Destroyツアー」で演奏されたっきりだと思う。

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マイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い」~ゲイリー・バーデン復帰

前作「黙示録(Assault Attack)」をリリースしてすぐにグラハム・ボネットがああいうことになり、ゲイリー・バーデンが呼び戻されてツアーを行い、そのまま「限りなき戦い(Built To Destroy)」のアルバム制作に入ったわけだが、当時もゲイリー・バーデンの不安定さを危惧する声は多かった。

アルバムではデレク・セント・ホルムズもヴォーカルに迎え、ゲイリー・バーデンの弱点を補おうとはしているもののあまりパッとした印象は受けなかったのも事実だ。

「神(帰ってきたフライング・アロウ)」「神話」の頃より、アメリカ市場を意識するにつれ、「黙示録(Assault Attack)」~「限りなき戦い(Built To Destroy)」とハイトーンを駆使する曲が多くなったように思われる。

これはゲイリー・バーデンにとってはかなり辛かったはずだ。

修正がきくスタジオではともかく一発勝負のライブではごまかしがきかず、どうしてもフェイクが多くなってしまった。

残念ながら、この「限りなき戦い(Built To Destroy)」に復帰したゲイリー・バーデンは、このアルバムをリリースしてしばらくした後に解雇となってしまった。

そして、他のメンバーも「スーパー・ロック・84・イン・ジャパン」を最後に脱退し、M.S.Gは空中分解してしまうことになる。

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マイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い」の感想~まとめ

今回は、ゲイリー・バーデンの復帰作となったマイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い(Built To Destroy)」の感想を語ってきた。

マイケル・シェンカー・グループ「限りなき戦い(Built To Destroy)」は、初期マイケル・シェンカー・グループのラストを飾るにふさわしい名盤に仕上がっており、アメリカ志向が一応の完成形となったアルバムといえる。

ハイトーンの弱いゲイリー・バーデンの復帰は、「限りなき戦い(Built To Destroy)」の曲と相性がいいとはいえず復帰が成功かどうかは微妙だ。

しかし、粒ぞろいの楽曲と充実し切ったマイケル・シェンカーのギター・プレイと曲作りは最高だから、まだ聞いていない若いファンがいたら、ぜひ揃えておきたい名盤としておすすめしたい。

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