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オジー・オズボーン&ランディ・ローズ「トリビュート」の感想

1982年、飛行機事故により、25歳の若さでこの世を去ったランディ・ローズ。

当時、新しい音源を聞きたいと思っていた筆者だが、それは永遠に叶わぬ願いとなった。

生前の音源で唯一その可能性が残されていたのがライブ・アルバムであった。

しかし、ライブ・アルバムの発表まで、ランディ・ローズの死後5年の歳月を要することになる。

そしてついにリリースされたのが、このオジー・オズボーン&ランディ・ローズ「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」である。

今回は、オジー・オズボーンとランディ・ローズのライブ・アルバム「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」の感想にを綴っていきたいと思う。

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オジー・オズボーン&ランディ・ローズ「トリビュート」

しっかりとした音源が残されているという噂は飛び交っていた。

しかし、すぐにというわけにはいかなかった。

オジー・オズボーンがランディ・ローズの死に向き合えなかったためだ。

死の直後には、同じライブ・アルバムでもギターを現ナイト・レンジャーのブラッド・ギルスがプレイした「SPEAK OF THE DEVIL~悪魔の囁き」という全曲ブラック・サバスの曲を収録した変則的なライブアルバムがリリースされていた。

オジー・オズボーンの傷心のほどが窺える。

そんな中でやっとリリースされたのが、この「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」である。

待ちに待ったランディ・ローズの音源に筆者の心は高鳴った。

「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」の音源は、1981年のカナダ・ツアーを収録したもので、収録曲は、1st「ブリザード・オブ・オズ(血塗られた英雄伝説)」を中心に2nd「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン(DIARY OF A MADMAN)」から2曲、ブラック・サバスの代表曲3曲といった構成。

オジー・オズボーン&ランディ・ローズ「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」の収録曲とメンバーは、以下の通り。

「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」オジー・オズボーン&ランディ・ローズ

収録曲
1. アイ・ドント・ノウ(I Don’t Know)
2. クレイジー・トレイン(Crazy Train)
3. ビリーバー(Believer)
4. ミスター・クロウリー-死の番人(Mr. Crowley)
5. フライング・ハイ・アゲイン(Flying High Again)
6. レヴェレイション(マザー・アース)-天の黙示(Revelation(Mother Earth))
7. スティール・アウェイ(Steal Away(The Night))~ドラムソロ(Drum Solo)
8. スーサイド・ソリューション-自殺志願(Suicide Solution)
9. アイアン・マン(Iron Man)
10. チルドレン・オブ・ザ・グレイヴ(Children Of The Grave)
11. パラノイド(Paranoid)
12. グッバイ・トゥ・ロマンス(Goodbye To Romance)
13. ノー・ボーン・ムービーズ(No Bone Movies)
14. ディー(Dee) (Studio Out-Takes)

メンバー
ギター:ランディ・ローズ
ヴォーカル:オジー・オズボーン
ベース:ルディ・サーゾ
ドラムス:トミー・アルドリッジ

1987年の発表。

オジー・オズボーン&ランディ・ローズ「トリビュート」の感想

「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」はライブ・アルバムであるが、スタジオ・アルバムとは趣きがまったくといっていいほど異なっている。

ランディ・ローズのサウンドは、スタジオ盤よりもラウドでノイジーであるが、実に生々しく、まさにライブの音といった感じ。

対してフレーズはメロディアスかつ繊細でランディ・ローズの長所がいかんなく発揮されている。

特筆すべきは、ひとつひとつのフレーズが実にのびのびと歌っているということ。

速弾きとかライトハンド奏法とかスウィープとかいろいろ難しいテクニックはあるが、この「トリビュート ~ランディ・ローズに捧ぐ」におけるランディ・ローズのプレイを聞いていると、ギターを歌わせるというのが究極のテクニックなのではないかと感じる。

クラシック・ギターをやっていた影響なのかはわからないが、非常にレガートに歌っている。
本当に素晴らしい。

ブラック・サバスの曲においても本家トニー・アイオミとは違う独自のサウンドとプレイを聞かせている。

職人技のトニー・アイオミに対して、ランディ・ローズはメタリックなサウンドとクラシカルなフレーズで曲に新たな光を当てている。

荒削りではあるが、まだまだ伸びしろを感じさせるプレイを聞いていると早すぎる死が本当に惜しまれる。

そして、スタジオ・アウトテイクの「ディー(Dee)」だ。

クラシックのスタイルで書かれたこの小品にはランディ・ローズの肉声まで含まれており、もう涙なくしては聞けないテイクだ。

オジー・オズボーン&ランディ・ローズ「トリビュート」~まとめ

今回は、オジー・オズボーンとランディ・ローズのライブ・アルバム「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」の感想を綴ってきた。

「トリビュート(TRIBUTE)」と銘打たれたアルバムは多数あるが、きっかけはこの「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」ではないだろうか?

そして、オジー・オズボーンのランディ・ローズへの追悼の意が100%詰まった本当の意味でのトリビュート・アルバムである。

残念ながらランディ・ローズはもう帰って来ない。

しかし、少年の心の中で今でも色褪せることなく、ランディ・ローズは生きている。

残された音源も少ないこの夭折の天才ギタリストの最高の姿をとらえたアルバムとして、筆者にとって忘れられない大切な1枚となっている。

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