高校時代、ロックといえば洋楽と信じて疑わなかった頃、友人にすすめられて初めて聞いたジャパメタが、このラウドネスの「The Law Of Devil’s Land~魔界典章~」である。
日本のロックはノーマークだったこともあって曲とギターに大変な衝撃を受けた思い出がある。
筆者にとっては今でもラウドネスの最高傑作として変わることのない名盤である。
今回は、ラウドネスの「The Law Of Devil’s Land~魔界典章~」の感想を綴ってみたいと思う。
ラウドネスのサードアルバム「魔界典章」
ラウドネスの「The Law Of Devil’s Land~魔界典章~」は、バンドにとっては「THE BIRTHDAY EVE~誕生前夜~」、「DEVIL SOLDIER~戦慄の奇蹟~」に続くサードアルバムである。
当時の筆者はロックといえば洋楽と思い込んでいて、日本にはハード・ロックなんてないと、仮にあったとしてもダサいというイメージがあった。
思えば「レインボー・ライジング(虹を翔ける覇者)」を聞いてハード・ロックにハマって以来、邦楽は一切聞いていなかった。
そこに例によって、同級生の「だまされたと思ってこれを聞いてみろ!」の言葉だった。
突き付けられたのがこのラウドネスの「The Law Of Devil’s Land~魔界典章~」であった。
ラウドネスのサードアルバム「魔界典章」の収録曲とメンバーは、以下の通り。
「The Law Of Devil’s Land~魔界典章~」 ラウドネス
収録曲
1.ラウドネス讃歌(Theme Of Loudness Part II)
2.イン・ザ・ミラー(In The Mirror)
3.ショウ・ミー・ザ・ウェイ(Show Me The Way)
4.アイ・ウィッシュ・ユー・ワー・ヒアー(I Wish You Were Here)
5.ミスター・イエス・マン(Mr. Yes Man)
6.魔界典章(The Law Of Devil’s Land)
7.ブラック・ウォール(Black Wall)
8.スリープレス・ナイト(Sleepless Night)
9.スピード(Speed)
メンバー
ギター:高崎晃
ヴォーカル:二井原実
ドラムス:樋口宗孝
ベース:山下昌良
1983年の発表。
ラウドネスの「魔界典章」の感想~高崎晃の曲とギターが秀逸
「どうせたいしたことないんだろう。」とタカをくくってレコードに針を落としてみたが、「イン・ザ・ミラー(In The Mirror)」のリフを聞いた途端、すべてがぶっ飛んだ。
これが日本のバンド?これ以降も印象的なリフとメロディー、そして強烈かつ、よく構築されたギター・ソロの曲が並ぶ。
こんなロックバンドが日本にいたのか、というのが正直な感想だった。
どこから声を出しているのかわからないようなヴォーカルの歌詞は日本語だ。
最後まで聞き終えた少年は、いい意味で裏切られたことにうれしさがこみ上げてきた。
日本にもこんなバンドがいたのかと関心した。なんといっても曲がいい。
特にライトハンド奏法を駆使した高崎晃のギターは、それまで聞いてきたギタリストたちと比べても全く引けを取らないのではないか。
テクニック、サウンドともに申し分ない。
ラウドネスのアルバムが世界を駆け巡る
ラウドネスは、以前はレイジーといういわばアイドル・グループ的な存在であった。
それが、本気でやりたい音楽を追求しようとして誕生したのが、ラウドネスである。
それまで日本にはこれほど本格的にハード・ロックというものをやったバンドはなかった。
そんな時代にもかかわらず、ハード・ロックの世界に身を投じたメンバーに拍手を贈りたい。
まさに英断だったはず。
将来どうなるかもわからない未知の世界に賭け、そして、数年後ラウドネスはアメリカのメジャーレーベルとの契約を交わし、世界進出を果たす。
高崎晃のギターは欧米の若手ギタリストに影響を及ぼすほどだった。
まさにジャパニーズ・ドリームを実現したのだ。
ラウドネスの「魔界典章」の感想~まとめ
今回は、ラウドネスの「The Law Of Devil’s Land~魔界典章~」の感想を綴ってみた。
アメリカ進出してからのラウドネスは、歌詞も英語になり、メイクをし、サウンドも曲もアメリカナイズされたものに変化していった。
それももちろん素晴らしかったが、個人的には、アメリカ進出前の初期のアルバムがおススメだ。
何にも縛られることなく自らの信じる音楽をプレイしている。
そんな中でこのアルバム「The Law Of Devil’s Land~魔界典章~」が初期の集大成的な位置付けの金字塔ともいえるものではないかと思う。
ライブでイチバン盛り上がるのもこの時期の曲だ。
ラウドネス以降、日本からも様々なハードロック・バンドが誕生した。
ラウドネスに影響されたかどうかは知らないが、間違いなくラウドネスが道を切り開いた。
先駆者としての存在感を放ちながら、ラウドネスは今も第一線で活躍を続けている。
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