イングヴェイのストラトがオーケストラと交わった歴史的コンサート

「コンチェルト・ライブ・イン・ジャパン・ウィズ・新日本フィルハーモニー交響楽団」
イングヴェイ・マルムスティーン

1. Black Star
2. Trilogy Suite Op.5
3. Brothers
4. Icarus Dream Fanfare
5. Cavallino Rampante
6. Fugue
7. Prelude to April
8. Toccata
9. Andante
10. Sarabande
11. Allegro
12. Adagio
13. Vivace
14. Presto Vivace
15. Finale
16. Britzkrieg
17. Far Beyond The Sun
18. Evil Eye

 

元祖ネオ・クラシカルの王者として君臨するイングヴェイ・マルムスティーンが長年持っていた構想であるエレクトリック・ギターとオーケストラとの共演。

それが実現したのがスタジオ盤として1998年に発表した「エレクトリック・ギターとオーケストラのための協奏組曲 変ホ短調『新世紀』」であった。

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クラシックのコンチェルトの様式を踏襲

従来のロック・ミュージシャンのオーケストラ作品との決定的な違いは、最初からクラシックの曲として作曲されているということである。

もともとあったロックの曲をオーケストラ用にアレンジしたというのとはそこが根本的に異なる。

エレクトリック・ギターとオーケストラの協奏曲として作曲されたのは、これがはじめてではないだろうか?

そしてついに2001年6月、ここ日本でこの「新世紀」の世界初のコンサートが実現する。

イングヴェイ一世一代の夢の実現である。

その渋谷オーチャードホールでのコンサートを収録したのが、この「コンチェルト・ライブ・イン・ジャパン・ウィズ・新日本フィルハーモニー交響楽団」である。

2002年の発表。

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クラシックのコンサートにイングヴェイのストラトが輝く

このコンサートは、筆者もとても楽しみにしており、運よく6列目の好位置で聞くことができた。

ストラトとオーケストラの音のバランスはどうするのか?

ソロ・パートはロック・バンドの時と同様インプロヴァイズするのか?

などなど、はじめての形式で興味は尽きなかった。

席につき、ステージを見て、「おやっ」と思った。

左側に1mくらいの透明な仕切りのようなものが設置されていた。

マーシャルアンプは見えない。

後で知ったのだが、この日使用したアンプはフェンダー製で、仕切りはオーケストラとギターの音を分離させるために設置されたのではないだろうか?

コンサートは、一般的なクラシックのコンサートと同じ2部構成で、前半にイングヴェイのロックの曲をオーケストラ・アレンジされたものを演奏し、休憩を挟んで後半に「新世紀」、そしてアンコールで「Far Beyond The Sun」が演奏された。

DVDでは、最後に「Evil Eye」が収録されているが、実際には「Black Star」の次に演奏されている。

特典映像扱いされて、実際の演奏順序とは異なって残念である。

ロックのライブより、ていねいだったイングヴェイ

コンサートは、「Black Star」で厳かに始まった。

ギターなしのオーケストラのみの演奏で、これはこれでまた違った味わいがある。

続いて、「Evil Eye」でストラトを抱えたイングヴェイが登場すると一際大きな歓声が上がり、本人もゴキゲンの様子だ。

ストラトとオーケストラとの音のバランスもよく、ギターがうまく溶け込んでいる。

前半のロックの曲を聞いて思ったが、幼少の頃からクラシックの影響を受けまくっている影響か、オーケストラ・バージョンも違和感なく聞ける。

ギター・ソロはやはりインプロヴァイズで、ロックだからとかクラシックだからとかいう区別はないようだ。

リッチー・ブラックモアのアプローチと共通している。

後半に入り、いよいよ「新世紀」が始まる。

イングヴェイは幾分緊張した表情ではあったが、満足気にプレイに没頭している。

ロック・バンドの時との違いは、よりていねいにプレイしていることで、リズムの乱れや強引さなどは影を潜めている。

それとクラシック音楽に対する敬意の表れなのか、オーケストラに対しては大変謙虚である。

エンディングに向けての盛り上がりは相当なもので、最後のコードが鳴り止む前に会場は大歓声に包まれた。

そして、アンコールは「Far Beyond The Sun」で、ロックのライブと同様にパガニーニ~アルビノーニに続けてのお馴染みの構成だ。

もうクラシックのコンサートというよりはロックのライブの雰囲気に変わっており、この日封印していたギター回しも飛び出した。

ストラトがイングヴェイの体をくるりと回った。

こうして、大成功のうちにコンサートは幕を閉じた。

まとめ

イングヴェイの長年の夢が実現した日であったが、それにふさわしいコンサートであったと思う。

ロックのライブとはひと味違うイングヴェイを見れたのもよかった。

イングヴェイのプレイは雑だという声も耳にするが、そういう方にはぜひ聞いて(見て?)もらいたい演奏である。

また、エレクトリック・ギターとオーケストラのコンチェルトという点でも史上初ともいえるものなので、見どころ聞きどころ満載だ。

クラシック専門の方がどう思うのかはわからないが、新しい試みとして評価されてよいと思う。

イングヴェイにとっては、忘れられない1日となったと思うが、筆者にとってもいい思い出であり、翌日の仕事のため、寝台列車で帰ったのも印象に残っている。

エレクトリックギターとオーケストラのための協奏組曲 変ホ長調 コンチェルトライブ・イン・ジャパン・ウイズ・新日本フィル [廉価盤][CD] / イングヴェイ・マルムスティーン

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