名盤「レインボー・ライジング(虹を翔ける覇者)」で、ハードロックの洗礼を受け、「闇からの一撃(STRAIGHT BETWEEN THE EYES)」で少々ガッカリした少年は、「レインボー・ライジング(虹を翔ける覇者)」のシンガーは何やってるんだろうなぁ、と初期のレインボー・サウンドを懐かしんでいた。
そんな時、同級生が、「ロニー・ジェームズ・ディオなら、ブラック・サバスにいるよ。」と教えてくれたのである。
早速、借りたアルバムがこのブラック・サバスの9thアルバム「ヘヴン&ヘル」で、はじめて聞いたのは1983年でだった。
今回は、ロニー・ジェームズ・ディオ在籍時代のブラック・サバスの最高傑作「ヘヴン&ヘル」の感想を綴ってみたいと思う。
ブラック・サバス「ヘヴン&ヘル」
当時のブラック・サバスは長年在籍してきたオリジナルメンバーでヴォーカルのオジー・オズボーンが、脱退したばかりであった。
ブラック・サバス初めてのメンバー・チェンジだったが、同じくレインボーを脱退したばかりのロニー・ジェームズ・ディオがオジーの後釜として加入し、リリースされたのが、この「ヘヴン&ヘル」というわけだ。
天使がタバコを吸うというジャケットもブラック・サバスらしいユーモアを感じるが、サウンドも大注目のアルバムとなった。
ブラック・サバス「ヘヴン&ヘル」の収録曲とメンバーは、以下の通り。
「ヘヴン&ヘル」 ブラック・サバス
収録曲
1. ネオンの騎士(Neon Knights)
2. チルドレン・オブ・ザ・シー(Children of the Sea)
3. レディ・イーヴル(Lady Evil)
4. ヘヴン・アンド・ヘル(Heaven and Hell)
5. ウィッシング・ウェル(Wishing Well)
6. ダイ・ヤング(Die Young)
7. ウォーク・アウェイ(Walk Away)
8. 孤独の定め(Lonely Is the Word)
メンバー
ギター:トニー・アイオミ
ヴォーカル:ロニー・ジェームズ・ディオ
ベース:ギーザー・バトラー
ドラムス:ビル・ワード
1980年の発表。
ブラック・サバス「ヘヴン&ヘル」の感想
ブラック・サバス「ヘヴン&ヘル」を一聴して思った。
「これって、レインボーじゃん!」。
当時は、ロニー・ジェームズ・ディオ加入前のブラック・サバスは聞いたことがなかったので、比較のしようもなかったが、初期のレインボー・サウンドが大好きだった少年には何の違和感もなく受け入れることができた。
レインボーの「バビロンの城門(LONG LIVE ROCK’N’ROLL)」に続くアルバムと言われても疑わなかったかもしれない。
ブラック・サバス目線ではなく、完全にロニー・ジェームズ・ディオ目線で聞いていたのだからなおのことだ。
オープニングの「ネオンの騎士」から快調に飛ばしてくれている。
大作の名曲「ヘヴン&ヘル」でA面を締め、そしてB面の「ダイ・ヤング」はまるでレインボーだ。
それもそのはず、「ダイ・ヤング」は、ロニー・ジェイムス・ディオがレインボー時代に書いた曲らしい。
これも超名曲だし、個人的にはこのアルバムの中で一番好きな曲だ。
「ヘヴン&ヘル」はブラック・サバスというより初期レインボーの印象
「ヘヴン&ヘル」は、アルバム丸ごとロニー・ジェームズ・ディオの世界観全開なのではないか?
当時、少年の求めていたサウンド・世界観と完全に一致しており、やっと見つけたぞって感じであった。
当時、ブラック・サバスが何者であるかもわかっていなかったのだが、他のメンバーもロニー・ジェームズ・ディオの長所を存分に生かそうという思いだったのではないか?
レインボー・サウンドとの融合なんて言われていたものだが、それがこのアルバム「ヘヴン&ヘル」ではうまくいっている。
賛否両論あったようだが、名曲の多い「ヘヴン&ヘル」は今ではブラック・サバスの押しも押されぬ名盤として高く評価されている。
ブラック・サバスといえばオジー・オズボーン時代、ロニー・ジェームズ・ディオ時代、トニー・マーティン時代と大まかではあるがシンガーによって3つの時代に分けられる。
活動期間も長期に渡るため、おすすめのアルバムも数多く、どれが一番とは絞り切れない。
名曲も数多い。
しかし、ロニー・ジェームズ・ディオ時代なら間違いなくこの「ヘヴン&ヘル」が最高傑作といっていいだろう。
ブラック・サバス「ヘヴン&ヘル」~まとめ
今回は、ロニー・ジェームズ・ディオ在籍時代のブラック・サバスの最高傑作「ヘヴン&ヘル」の感想を綴ってみた。
他の時代にもそれぞれに名盤が生まれてはいるが、どのシンガーが好みかで聞く人の名盤が変わってくるのではないか?
少年の場合は、それがロニー・ジェームズ・ディオであったが、それを抜きにしてもロニー・ジェームズ・ディオ時代のブラック・サバスの最高傑作は、この「ヘヴン&ヘル」で決まりだろう。
そのサウンドは40年以上経った今もまったく色褪せることもなく響き渡ってくる。
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