リッチー・ブラックモア率いるレインボーは、第1回モンスターズ・オブ・ロック1980のヘッドライナーとして出演した。
このモンスターズ・オブ・ロック1980は、レインボーのアルバム「ダウン・トゥ・アース」に伴うツアーの最終日であるとともに、看板ドラマーであったコージー・パウエルのレインボーでのラスト・ステージとなった。
また、結果的にヴォーカルのグラハム・ボネットにとってもレインボーでのラスト・ステージにもなり、歴史的にも大きなターニングポイントとなった一大イベントである。
そんなレインボーのドニントンでのライヴ・アルバム「モンスターズ・オブ・ロック・ドニントン1980」がついにオフィシャルでリリースされた。
今回は、レインボーの「モンスターズ・オブ・ロック・ドニントン1980」の感想を綴ってみたいと思う。
レインボーのモンスターズ・オブ・ロック・ドニントン1980
これまでもモンスターズ・オブ・ロック1980におけるレインボーの音源が、日の目を見ていなかったわけではない。
古くはは、モンスターズ・オブ・ロック1980出演バンドによるオムニバス・アルバムで、「オール・ナイト・ロング(All Night Long)」と「スターゲイザー(Stargazer)」が、解散直後のベスト・ライヴ・アルバム「ファイナル・ヴァイナル」では「シンス・ユー・ビーン・ゴーン(Since You Been Gone)~虹の彼方に(Over The Rainbow)」が公式にリリースされていた。
しかし、ついに待望の準完全版がリリースされた。
完全版ではなく準完全版というのが残念だが、「ラヴズ・ノー・フレンド(Love’s No Friend)」と「銀嶺の覇者(Man on the Silver Mountain)」の2曲だけは、どうしてもマスター・テープが見つからなかったということで未収録となっている。
だが、この2曲以外は、オープニングの「威風堂々」から始まって、すべての演奏がCDに収録されている。
レインボーの「モンスターズ・オブ・ロック・ドニントン1980」の収録曲とメンバーは、以下の通り。
レインボーのモンスターズ・オブ・ロック・ドニントン1980~CD収録曲
収録曲
CD1
1.威風堂々(オープニング)
2.イントロ~アイズ・オブ・ザ・ワールド
3.シンス・ユー・ビーン・ゴーン~虹の彼方に
4.スターゲイザー
5.虹をつかもう
6.キーボード・ソロ~ロスト・イン・ハリウッド~ア・ライト・イン・ザ・ブラック(エクサープト)~ギター・ソロ
7.治療不可(ベートーヴェン交響曲第9番)~キーボード・ソロ
8. ドラム・ソロ(チャイコフスキー序曲1812年)~ロスト・イン・ハリウッド(リプライズ)
CD2
1.レイジー(エクサープト)
2.オール・ナイト・ロング
3.ブルース
4.ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ
5.ロング・リヴ・ロックンロール
6.ギター・クラッシュ(キル・ザ・キング)
7.ロング・リヴ・ロックンロール(リプライズ)
メンバー
リッチー・ブラックモア:ギター
コージー・パウエル:ドラムス
グラハム・ボネット:ヴォーカル
ドン・エイリー:キーボード
ロジャー・グローヴァー:ベース
レインボーのモンスターズ・オブ・ロック・ドニントン1980~DVD収録曲
DVD
収録曲
1.レイジー(エクサープト)
2.オール・ナイト・ロング
3.虹をつかもう
4.アイズ・オブ・ザ・ワールド
5.ギター・ソロ
6.治療不可(ベートーヴェン交響曲第9番)
7.ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ
8.ロング・リヴ・ロックンロール
9.ギター・クラッシュ(キル・ザ・キング)
10.ロング・リヴ・ロックンロール(リプライズ)
レインボーのモンスターズ・オブ・ロック・ドニントン1980の感想
このドニントンのモンスターズ・オブ・ロック1980が重要な歴史的イベントだった理由は、第1回ということだけではない。
このモンスターズ・オブ・ロック1980を最後にバンドの要でもあったコージー・パウエルが脱退し、その後結果的にヴォーカルのグラハム・ボネットも脱退することになるのが大きな理由だ。
このドニントンでのモンスターズ・オブ・ロック1980のメンバーがレインボーの歴史上最強ともいわれ、これにコージー・パウエル最後のスペシャル・ライヴということも重なってドニントンは燃えに燃えた。
当時リッチー・ブラックモアがライヴでプレイすることを好まず、来日公演1980でも演奏しなかった「スターゲイザー」をこの曲が好きだったコージー・パウエルのためにセットリストに加えたことからも、いかにコージー・パウエルの存在が大きかったかがわかる。
レインボーのモンスターズ・オブ・ロック・ドニントン1980~CDの感想
2曲未収録とはいえ、この歴史的なライヴ・パフォーマンスをほぼフル収録で聞けるというのは、感慨深いものがある。
ロニー時代ともジョー時代とも違うこのラインナップならではのサウンドを聞くことができるし、なんといっても新しい方向に舵を切ったレインボーの新鮮な響きを感じることができる。
賛否両論あったアルバム「ダウン・トゥ・アース」だが、ブライトになったサウンドはスタジオだけでなくライヴでもそうであったことが確認できる。
レインボーのモンスターズ・オブ・ロック・ドニントン1980~DVDの感想
オフィシャル盤としての画質はお世辞にもいいとは言えないし、ハイライト・シーン約30分の収録なのでなんとも評価しづらい面があるが、とりあえずこれだけでもないより全然マシである。
曲順も実際のライヴとは違うが、オープニングの「アイズ・オブ・ザ・ワールド」のテンションの高さは素晴らしいし、ギター・クラッシュは音源よりやはり映像のほうがいい。
さらなる新映像の発掘によって完全版を期待したいと思う。
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レインボーのモンスターズ・オブ・ロック・ドニントン1980~まとめ
今回は、レインボーの「モンスターズオブロック・ドニントン1980」の感想を綴ってみた。
この「モンスターズオブロック・ドニントン1980」を境にレインボーはアメリカ人シンガー・ドラマーを加入させてそれまでのレインボーのサウンドとは違うカラッとしたポップなサウンドへと変貌していく。
今思えばこのモンスターズ・オブ・ロック1980のレインボーは、ブリティッシュ・ハードロック・バンドとしてのレインボーの最後の姿のように思える。
モンスターズ・オブ・ロック1980は、大きなターニングポイントを迎えていたレインボーの最後の輝きを見せたライヴといえるだろう。
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