レインボー4度目の来日公演は1981年8月、またもやメンバーを入れ替えての来日となった。
アメリカ人シンガーのジョー・リン・ターナーを迎えたレインボーはさらにポップ化が進み、アルバム「DIFFICULT TO CURE(邦題アイ・サレンダー)」は賛否両論渦巻くことになった。
そんな中で行われたレインボー来日公演1981のセトリと日程・会場は、どんなものだったのか?
今回は、曲がさらにポップになったレインボーの来日公演1981のセトリと日程・会場などについて見ていきたいと思う。
レインボー来日公演1981の日程と会場、メンバー
レインボー来日公演1981は、8月18日の福岡公演を皮切りに8月28日の日本武道館公演まで5都市8公演の日程と会場で行われた。
メンバーは前回の「Down To Earth Tour1980」から、ヴォーカルがジョー・リン・ターナー、ドラムスがボビー・ロンディネリという2人の若いアメリカ人に変わり、よりフレッシュなラインナップとなった。
特筆すべきは、この来日公演1981からリン・ロビンソンとディー・ビールという2人の女性コーラスが加わったことである。
70年代のレインボーからは考えられなかったことだが、これにより曲はさらにポップでカラフルになり、いよいよ新生レインボーのイメージが固まっていくことになる。
レインボー“DIFFICULT TO CURE” Tour1981の日程と会場
1981年8月18日 福岡・福岡サンパレス
1981年8月20日 大阪・大阪フェスティバルホール
1981年8月21日 大阪・大阪フェスティバルホール
1981年8月23日 愛知・名古屋市公会堂
1981年8月24日 京都・京都会館第一ホール
1981年8月26日 東京・日本武道館
1981年8月27日 東京・日本武道館
1981年8月28日 東京・日本武道館
メンバー
リッチー・ブラックモア:ギター
ジョー・リン・ターナー:ヴォーカル
ロジャー・グローヴァー:ベース
ドン・エイリー:キーボード
ボビー・ロンディネリ:ドラムス
レインボー来日公演1981のセトリ~曲はポップに!
レインボー来日公演1981のセトリは本編は固定されていたが、アンコールが連日日替わりであった。
アルバム「アイ・サレンダー(DIFFICULT TO CURE)」では、ポップになったといわれたレインボーのサウンドであるが、ライヴでは1曲1曲がコンパクトになりメンバーの個性のぶつかり合いが減少し、より楽曲の魅力を引き立たせるという傾向が強くなっている。
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楽曲がポップになり、レパートリーが増えてきたことも影響を与えているのかもしれない。
このレインボー来日公演1981はジョー・リン・ターナーの初来日になるのだが、加入して勢いのある初々しい歌声はジョー・リン・ターナーのピークではないだろうか。
この初来日の声を聞くとその後の来日公演では高音もきつくなり艶もなくなってきて残念でならない。
さてセトリだが、特筆すべきはこのツアーからディープ・パープルの「Smoke On The Water」がほぼ毎日アンコールのセトリに加わった点だろう。
ハプニングとして特に凄かったのが初日の福岡公演で、終演を告げる「Over The Rainbow」が流れて場内が明るくなった中、ジミ・ヘンドリックスの「Fire」が演奏された。
これはレインボーのライヴではある意味では掟破りで、「Over The Rainbow」の後で何か演奏するなんていうことは本来ならばあり得ないことだ。
会場のファンが狂喜乱舞したのは言うまでもない。
ここでは、武道館公演初日となった8月26日のセトリを紹介しているが、その他日によってはギター・クラッシュ用に「Kill The King」が演奏されたり、ディープ・パープルの「Woman From Tokyo」のイントロが披露された日もあった。
レインボー来日公演1981のセトリ
Over The Rainbow
Spotlight Kid
Love’s No Friend
I Surrender
Lazy~Man On The Silver Mountain
Catch The Rainbow
Can’t Happen Here
Lost In Hollywood(incl. A Light In The Black)
Difficult To Cure
Long Live Rock N’ Roll
Encore
All Night Long
Smoke On The Water
Vielleicht das nächste Mal (Maybe Next Time)
Since You Been Gone
Blues
Over The Rainbow
1981年8月26日 日本武道館
レインボー来日公演1981のCD・DVDは?
レインボー来日公演1981のCD・DVDが何かリリースされていないか調べてみたが、残念ながらまったく見当たらなかった。
こんなに素晴らしい来日公演だっただけに何もないのは本当にもったいない。
そこで、この時期に近いライヴCDで何かないかと探したが、いいCDがあった。
それがここで紹介する「Boston 1981」だ。
1981年5月7日、アメリカ・ボストンでのライヴを収録したもので、収録曲も来日公演1981のセトリとほぼ同じで、ジョー・リン・ターナーの歌声も来日公演同様よく伸びている。
「DIFFICULT TO CURE Tour1981」では、この「Boston 1981」が決定盤だろう。
なお、DVDなど映像作品は見当たらなかった。
「Boston 1981」 レインボー
収録曲
1. Spotlight Kid
2. Love’s No Friend
3. I Surrender
4. Man On The Silver Mountain
5. Catch The Rainbow
6. Can’t Happen Here
7. Lost In Hollywood
8. Difficult To Cure
9. Long Live Rock N’ Roll
10. Smoke On The Water
1981年5月、ボストンで収録
レインボー来日公演1981のセトリと日程・会場~まとめ
今回は、曲がさらにポップになったレインボーの来日公演1981のセトリと日程・会場などについて見てきた。
曲がさらにポップになり物議をかもしたアルバム「DIFFICULT TO CURE(邦題アイ・サレンダー)」に伴うツアーのレインボーの来日公演1981は、全国5都市8公演の日程と会場で行われた。
ライヴでは1曲1曲がコンパクトになり、女性コーラスも加わってポップになったが、アンコールは日替わりで「Smoke On The Water」が加わるなどセトリも多彩だった。
何よりもジョー・リン・ターナーの声が素晴らしく、個人的にはジョー・リン・ターナーの来日公演史上ベスト・パフォーマンスと思える。
70年代レインボーの面影が薄れ、新しいレインボーが確立された来日公演1981であった。
コメント
81年8/18福岡サンパレスホールでの
Liveをほぼ最前列で体験した者です。
素晴らしく詳細なレポートに
感動すら覚えています。
ジョーの初来日のステージは、
おっしゃる通り初々しいもので、
リッチーの演奏は、
後に映像化されている
“Straight Between the Eyes tour”
を超える迫力がありました。
その為湧きに湧いたオーディエンスは、
リッチーのギター破壊を期待し、
アンコールが2回終わり、
オーヴァーザレインボーが鳴って、
会場が明るくなっても帰るどころか、
ステージに上がろとする者や
備え付けの椅子に立ち上がったり、
ジャンプしたり奇声を上げ、
暴動のような状態になっていたのを
覚えています。
そして会場の照明が再び
落とされた時のオーディエンスの興奮は
ピークになり、嗚咽しながら
泣き叫ぶ者までいましたね。
その1番最後のアンコール曲が
40年間判らずにいたのですが、
ジミヘンの“Fir”であることを
このブログで知り、
長年の疑問が晴れるとともに、
当時の感動が蘇り、
こうしてレスを書かせて戴きました。
ありがとうございます!
Dio様、コメントありがとうございます。
お役に立ててよかったです。
それにしても81年福岡公演を最前列で体験したなんてうらやましい限りです。