「アルハンブラの思い出」といえば、クラシックギターを志した人ならだれしもが弾いてみたいと思う名曲ではないでしょうか。
筆者にとっても長い間、いつかは弾けるようになりたいと思う憧れの名曲です。
天下の名曲であるから名盤・名演は数多いですが、はたしてどんな名盤があるのでしょうか?
今回は、クラシックギターでは必聴の名曲「アルハンブラの思い出」の名盤を厳選してみたいと思います。
アルハンブラの思い出の名盤を厳選
「アルハンブラの思い出」ほどの名曲ともなれば、ほとんどのクラシックギタリストが何らかの形で演奏しています。
多くの録音が残されており、名盤も数多く生まれています。
筆者にとってもクラシックギターの曲の中でも三本指に入るぐらい好きな曲なので、いろいろなギタリストの「アルハンブラの思い出」を聞いてきました。
そんな中から2人のクラシックギタリストの名盤を厳選してみました。
アルハンブラの思い出の名盤①~朴葵姫(パク・キュヒ)
筆者にとって現代のクラシックギタリストの中で、「アルハンブラの思い出」を弾いたらナンバーワンだと思うのが、この朴葵姫(パク・キュヒ)です。
”トレモロ女王”の名にふさわしく、柔らかく粒のそろった一音一音の美しさは絶品で、まるで「アルハンブラの思い出」が朴葵姫(パク・キュヒ)のために書かれたかのような気さえします。
手の小ささがトレモロに向いているのかなと思ったりもしますが、特徴であるレガートなフレージングも聞きどころです。
CD「スペインの夜」、「フェイバリット・セレクション」に収録。(2012年4月の録音)
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アルハンブラの思い出の名盤②~アンドレス・セゴビア
故人では巨匠アンドレス・セゴビアがおすすめです。
朴葵姫(パク・キュヒ)とは対照的にグローブのようなごつくて大きな手から生み出されるサウンドは、”セゴビア・トーン”と呼ばれ、独特の柔らかさがあります。
セゴビアの弾く「アルハンブラの思い出」もそんな魅力がたっぷり詰まっていて、時代を超えた名演といっていいでしょう。
CD「セゴビアの芸術」に収録。(1955年3月の録音)
アルハンブラの思い出はクラシックギターの名曲
「アルハンブラの思い出」はスペインの作曲家&ギタリストのフランシスコ・タルレガ(1852-1909)の手による名曲で、1896年に作曲されました。
曲の最初から最後までトレモロ奏法というシンプルな曲ですが、それだけにトレモロの手腕が演奏の良し悪しを分けることになります。
トレモロ奏法が表現しているのは、噴水の音、あるいは宮殿のアラベスク模様だともいわれています。
ギタリストにとっては、永遠の名曲ともいえるでしょう。
アルハンブラの思い出の由来
アルハンブラとは、スペイン最南部グラナダにあるイスラム教徒が築き上げたアルハンブラ宮殿のことで、「アルハンブラの思い出」はフランシスコ・タルレガがアルハンブラ宮殿を訪れた時に感銘を受けたことが由来となっています。
「アルハンブラ」の語源は、「赤い城」を意味しているが実際のアルハンブラ宮殿は白を基調としています。
なぜ「赤い」という形容詞がついているのかは、
・夕陽に染まるアルハンブラ宮殿の姿が赤く燃えるようだったから
・周囲の土の色や建物のレンガの色が赤いから
・増築時、夜中までたいまつに火を灯していたところ、遠くから見るアルハンブラ宮殿が暗闇の中に赤く浮かび上がって見えたから
など諸説あります。
アルハンブラの思い出の感想
筆者が「アルハンブラの思い出」を初めて聞いたのは二十歳ぐらいの時だったように思いますが、記憶が定かではありません。
いい曲だというのが偽らざる感想ですが、本格的に感激したのは29歳のときにスペイン旅行で、実際にアルハンブラ宮殿を訪れてからです。
その後は、「アルハンブラの思い出」が頭の中でしばらく鳴り続けることになり、すっかり魅了されることになったというわけです。
ちなみにギタリストとしてもチャレンジしましたが、なかなかうまく弾けず、もつれるトレモロ奏法になっています。
いつかは人に聞かせても恥ずかしくないレベルまでに引き上げたいと思っています。
アルハンブラの思い出の名盤~まとめ
今回は、クラシックギターでは必聴の名曲「アルハンブラの思い出」の名盤を厳選してきました。
聞く人によって名盤は違うとは思いますが、筆者が特に感銘を受けた名盤を新旧2枚チョイスしてみました。
セゴビアはもちろんのこと、朴葵姫(パク・キュヒ)のバージョンも時代を超えて愛される名盤になるだろうと思うのですが、はたしてどうでしょうか?
今後も新しい名盤が続々と誕生することを期待します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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