ウリ・ジョン・ロートの2016年ラウドパーク以来となる来日公演が終了した。
ウリ・ジョン・ロートの来日公演2019は、東名阪3公演にアコースティック公演を加えた4公園であったが、筆者は初日の東京・中野サンプラザ公演と最終日のアコースティック公演に参戦した。
50周年のアニバーサリーということでどんなセトリになるのだろうと興味津々で臨んだが、期待を裏切らない素晴らしいライブだった。
はたして、どんなセトリとライブだったのか?
今回は、ウリ・ジョン・ロートの来日2019の全公演セトリと参戦感想まとめを書いてみたいと思う。
ウリ・ジョン・ロート来日2019の全公演セトリ
まず、今回2019年の来日公演のスケジュールを確認しておこう。
来日公演2019は、1月21日の東京・中野サンプラザ公演を皮切りに東名阪の本公演に最終日に再び東京へ戻ってきてのスペシャルなアコースティック公演と計4公演であった。
移動日なしの4日連続公演というタイトな日程であったが、そんなことは微塵も感じさせない熱いステージが連日展開された。
注目のセトリであるが東名阪のエレクトリック本公演は意外にも3公演ともほとんど共通のセトリであった。
最大の違いは、大阪公演で「Dark Lady (inc. Kojo No Tsuki) 」が、それまでの「Top of the Bill」と入れ替わって演奏されたことだろうか。
いつもは各公演もっと変化があるものだが、今回はその点が少々意外な気がした。
そして、アコースティック公演であるが、エレクトリック3公演とは全く異なる内容という前振りであったが、蓋を開けてみるとスコーピオンズは本公演と重複するものが多く、その他にアコースティック公演のみの演奏というセトリであった。
詳しいセトリは、以下を通り。
ウリ・ジョン・ロート(ULI JON ROTH)JAPAN TOUR 2019
2019年1月21日(月) 東京公演・中野サンプラザホール
2019年1月22日(火) 名古屋公演・名古屋DIAMOND HALL
2019年1月23日(水) 大阪公演・心斎橋BIGCAT
2019年1月24日(木) 東京公演(アコースティック公演)・神田明神ホール
東京・名古屋・大阪公演(エレクトリック本公演)
第1部
Sky Overture
Indian Dawn
Electric Sun
Sun in My Hand
Icebreaker
Why?
Don’t Tell the Wind
Eastern Sun
Starlight
The Sails of Charon
Enola Gay (Hiroshima Today)
第2部
Passage to India(inc. Bohemian Rhapsody)
Apache
We’ll Burn the Sky
In Trance
Virgin Killer
Pictured Life
Catch Your Train
Yellow Raven
Top of the Bill(大阪公演では「Dark Lady (inc. Kojo No Tsuki) 」)
Send Me an Angel
All Along the Watchtower
本公演(2019年1月21日~23日)のメンバー
ラインナップ
Uli Jon Roth(Guitar&Vocals)
Niklas Turmann(Vocals&Guitar)
David Klosinski(Guitar)
Simon Foster(Bass&Vocals)
Michael Ehre(Drums)
Corvin Bahn(Keyboards)
ゲスト・ミュージシャン
Michael Flexig(Vocal)
Phil X(Vocals&Guitar)
Rudy Lenners(Drums)
Rudolf Schenker(guitar)~1月21日東京公演・1月22日名古屋公演のみ
来日公演直前にゲスト出演が予定されていたドゥギー・ホワイトとフランシス・ブッフホルツの出演がキャンセルとなり、新たにスコーピオンズのギタリストでマイケル・シェンカーの兄でもあるルドルフ・シェンカーのゲスト出演が決まった。
ルドルフ・シェンカーのゲスト出演は、1月21日東京公演、1月22日名古屋公演のみ。
東京アコースティック公演(神田明神ホール)
Passage to India(inc. Bohemian Rhapsody)
Awakening the Dragon
Mediterranean Sundance
Fire Wind
They Need a Million
Don’t Tell the Wind
Starlight
We’ll Burn the Sky
In Trance
The Sails Of Charon
Kojo No Tsuki
All Along The Watchtower
Encore:
Yesterday
Rhumba Apassionata
Send Me an Angel
アコースティック公演(2019年1月24日)のメンバー
Uli Jon Roth(Guitar&Vocals)
Niklas Turmann(Guitar&Vocals)
David Kloskinski(Guitar)
Simon Foster(Bass&Vocals)
Michael Flexig(additional lead Vocals)
Akasha Dawn Roth(additional keyboards)
ウリ・ジョン・ロート来日2019の参戦感想まとめ
今回のウリ・ジョン・ロートの来日公演2019は、ウリのキャリア50周年を祝うアニバーサリー・ツアーということで、その長いキャリアを総括するようなセットリストになるだろうということは事前から想像していた。
しかし、50年ものキャリアからどんな曲が選ばれるのかはちょっと予想が難しく、それゆえに何が演奏されるのか非常に楽しみであった。
筆者が参戦したのは来日公演初日の東京・中野サンプラザ公演と最終日の東京・神田明神ホールのアコースティック公演の2公演。
ウリ・ジョン・ロートのライブとしては2016年のラウドパークで体験していたが、単独公演は初めてだったので、念願かなってという気分だった。
2公演に参戦した感想をまとめてみたいと思う。
東京本公演(中野サンプラザホール2019年1月21日)
まずは初日の中野サンプラザホールであるが、ウリの大好きなホールということもあり、いやが上にも期待が高まった。
しかし、会場に入るとどうもチケットの売れ行きが芳しくないようで2階席は閉鎖、1階席も後方にかなり空席が目立った。
あのウリ・ジョン・ロートでも満席にならないのかと少々さびしい気もしたが、定刻を過ぎると今度はどうも機材トラブルのようでなかなか始まらない。
ローディーが何度も調整してもうまくいかないようで、ついにはDavid Kloskinskiが調整してついに準備万端、会場のボルテージも最高潮に達した。
ステージは向かって右端にドラムがセッティングされ、真ん中には階段が設置されるという一見変わっただった。
メンバーが静かに登場すると中央の階段からウリ・ジョン・ロートが後光を射したように現れるというオープニングで「Sky Overture」が始まった。
これ以上ないという演出で、第1部はウリのソロ、ELECTRIC SUN、そして昨年亡くなった弟ZENOの曲が中心であったが、どれもが素晴らしい演奏で甲乙つけられないものだった。
個人的にはZENOの曲がMichael Flexigのヴォーカルで聞けたのは感動的で、弟ジーノが存命であれば今回のツアーにも同行させる計画だったこともウリ自身から明かされた時は感涙ものであった。
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そして第1部を終了して15分の休憩を挟んで、第2部はウリが中央階段に腰掛けてソロのPassage to India(inc. Bohemian Rhapsody)で始まり、続いてTHE SHADOWSの「Apache」が当時のギターで演奏された。
どうも13歳の初めてのステージで演奏した曲らしく、まさに50周年のアニバーサリー・ライブにピッタリの演出だ。
その後は、ルドルフ・シェンカーをゲストに迎えてのスコーピオンズ・ナンバーのオンパレードだった。
まさか40年前と同じ中野サンプラザで、ウリとルドルフが同じステージに立ち、スコーピオンズをともにプレイする姿が見られるとはだれが想像しただろうか。
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これは本当にレアなことで今回の来日公演最大のハイライトだったのは間違いないところだろう。
途中からPhil XとRudy Lennersも加わり、もはやお祭り騒ぎの様相を呈してきた。
そして最後はジミ・ヘンドリックスの「All Along The Watchtower」で3時間にも及ぶライブが終了した。
最後「Little Wing」が聞けなかったのが残念だったが、ウリ・ジョン・ロートというミュージシャンの独特の世界観を心ゆくまで堪能できた忘れられぬ一夜になった。
東京アコースティック公演(神田明神ホール2019年1月24日)
来日公演2019の最終日はこの日だけ実現したアコースティック公演である。
公演地が神社の敷地内に作られた神田明神ホールということで、何やらウリ・ジョン・ロートのイメージにもピッタリの場所だなと思いながら向かった。
この日は収容人数の関係もあってかほぼ満席で、会場はパイプ椅子を並べた状態で建設間もない新築の香りがしていた。
オープニングは、最初2曲はウリの独壇場で、8弦スカイギター「SUNSET SKY」を駆使してクラシカルな演奏が約30分美しく響き渡る。
そして、Niklas TurmannとDavid Kloskinski、Simon Fosterが加わり、演奏されたのがなんとスーパー・ギター・トリオの「Mediterranean Sundance(地中海の舞踏)」だ。
まさかここで聞けるとは夢にも思っていなかったので、大きなサプライズであったが、遊びでは演奏しているのか、スリリングな演奏はさすがのクオリティだった。
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そして、「Fire Wind」「They Need A Million」とレアな曲が聞けたのは、この日だけのスペシャルな特典ともいえるだろう。
この後はMichael FlexigのヴォーカルでZENOの曲、ウリの娘アカーシャのキーボードでスコーピオンズのオンパレードとなった。
このあたりは本公演と重複しており、アコースティック・バージョンというレアな演奏は聞けたものの個人的には違う曲も聞きたかったというのは贅沢だろうか。
この日の後半では「Kojo No Tsuki」と「Yesterday」あたりが、レアなサプライズだった。
このアコースティック公演ではウリ・ジョン・ロートの音楽的な懐の深さを見たような気がした。
もともとクラシック音楽への造詣が深いウリであるが、アコースティックともなるとその傾向が顕著に見て取れる。
途中でNiklas Turmannのギターの弦が切れるというアクシデントがあったが、弦交換の間、おそらくはアドリブで弾いたのであろうクラシカルなプレイはこの日の隠れたハイライトだったように思う。
時間はウリにしては短め(?)の2時間ほどの公演時間であったが、本公演とは違った味わい深い一夜になった。
ウリ・ジョン・ロート来日2019の全公演セトリと参戦感想~まとめ
今回は、ウリ・ジョン・ロートの来日2019の全公演セトリと参戦感想をまとめてみた。
ウリ・ジョン・ロートの来日公演2019は東名阪3公演はほぼ同じセトリであったが、ルドルフ・シェンカーをゲストに迎えてのスコーピオンズは最大のサプライズだったように思う。
50周年のアニバーサリーということもあり、ハイライトの多いツアーでアコースティック公演含めて忘れられないライブになった。
最近は来日公演もちょくちょく開催してくれているが、次はアルバムのリリースが期待されるところだ。
ウリ・ジョン・ロートの独特の世界観・音楽を堪能できた来日公演だった。
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