ハード・ロックもかなり聞き込んでいた筆者であったが、3大ギタリストで聞いていたのはレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジだけだった。
そこで次に聞いてみようと思ったのが、エリック・クラプトンだった。
アルバムも多く出している方なので何から聞こうか迷ったが、超有名曲が収録されているという理由で「いとしのレイラ」に決めた。
今回は、エリック・クラプトン生涯の名曲を収録した「いとしのレイラ」の感想を綴ってみたいと思う。
エリック・クラプトン「いとしのレイラ」
当時、LPレコード2枚組という物量であったこのアルバム「いとしのレイラ」。
今から考えるとかなりのボリュームである。
当時、ブルース、アメリカ南部の音楽に傾倒していたエリック・クラプトンが前座を務めていたデラニー&ボニー&フレンズのメンバーと制作した。
このバンド、デレク&ザ・ドミノスはこの1枚のみで終わってしまったのだから、まさに一期一会の産物である。
デレク&ザ・ドミノス「いとしのレイラ」の収録曲とメンバーは、以下の通り。
「いとしのレイラ」 デレク&ザ・ドミノス
収録曲
1. アイ・ルックト・アウェイ(I Looked Away)
2. ベル・ボトム・ブルース(Bell Bottom Blues)
3. キープ・オン・グロウイング(Keep On Growing)
4. だれも知らない(Nobody Knows You When You’re Down and Out)
5. アイ・アム・ユアーズ(I Am Yours)
6. エニイデイ(Anyday)
7. ハイウェイへの関門(Key to the Highway)
8. テル・ザ・トゥルース(Tell the Truth)
9. 恋は悲しきもの(Why Does Love Got to Be So Sad?)
10. 愛の経験(Have You Ever Loved a Woman)
11. リトル・ウィング(Little Wing)
12. イッツ・トゥー・レイト(It’s Too Late)
13. いとしのレイラ(Layla)
14. 庭の木(Thorn Tree in the Garden)
メンバー
ギター&ヴォーカル:エリック・クラプトン
キーボード&ヴォーカル:ボビー・ウィットロック
ドラムス:ジム・ゴードン
ベース:カール・レイドル
1970年の発表。
エリック・クラプトン「いとしのレイラ」の感想
エリック・クラプトンがデレク&ザ・ドミノスで制作したアルバム「いとしのレイラ」にはオリジナル、カバー関係なくこの時のエリック・クラプトンの趣向が反映された曲がLPレコード2枚に渡り、ギッシリと詰まっている。
全体的にブルースに根差しながらもポップな味付けがなされた印象があり、この辺がこのアルバムを歴史的名盤に押し上げた秘密かもしれない。
エリック・クラプトンという人はブルース系のギタリストというイメージが強いのだが、案外ポップなセンスに長けた人のような気がする。
その後のキャリアを振り返ってもブルースがベースにあるものの聞きやすさ、大衆性というものも持ち合わせている。
ジミ・ヘンドリックスの名曲「リトル・ウイング」もオリジナルとはかなり違ったエリック・クラプトンならではのポップなアレンジだ。
アコースティック・アルバム「アンプラグド」以降のエリック・クラプトンのブレイクには、この辺のセンスが大きく関わっているような気がしてならない。
個人的なことを言えば、エリック・クラプトンのブルースにはどこか洗練されているというか、きれいなブルースという印象がある。
黒人特有の泥臭さが少ないような気がする。
その洗練されたエリック・クラプトンのポップな大衆性とブルースが実を結んだ最初のアルバムがこの「いとしのレイラ」なのではないかと思う。
エリック・クラプトン「いとしのレイラ」は生涯の名曲
エリック・クラプトンといえば、どうしても名曲「いとしのレイラ」を外すことはできない。
このアルバム、いやエリック・クラプトンを代表する名曲としてすっかり有名になっているが、このレイラというのは、ビートルズのジョージ・ハリスンの当時の妻、パティ・ボイドのことである。
親友の妻を愛してしまったエリック・クラプトンの激しい恋心が込められた曲で、なんともいたたまれない思いがする。
やがて2人は結ばれるのだが、結局は破局するのだが、ジョージ・ハリスンとの友情は続くのだから人生はどうなるかわからない。
スライドギターで参加しているデュアン・オールマンのプレイが光る。
エリック・クラプトン「いとしのレイラ」の感想~まとめ
今回は、エリック・クラプトン生涯の名曲を収録した「いとしのレイラ」の感想を綴ってみた。
エリック・クラプトンはクリームではハード・ロックで成功して、エリック・クラプトンは自らの音楽を追い求める旅を始める。
その根幹にあるものがブルースで、しかも黒人のブルースへの憧れが強かった。
エリック・クラプトンのキャリアの中でどれか1枚選ぶとしたら筆者はこのアルバム「いとしのレイラ」を選ぶ。
その後もエリック・クラプトンは、自らのブルースを追求し続け、数々の名作を世に送り出しているが、そのキャリアの中でこの「いとしのレイラ」はひときわ輝いている。
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