90年代に入ってから、ハード・ロック以外のジャンルも積極的に聞くようになった筆者であるが、ある日、ごちゃまぜのアルバムを聞いていた時、耳に残ったのがこのエヴァ・キャシディの歌声だった。
曲は「Autumn Leaves(枯葉)」で、一種異様な雰囲気とその説得力のある歌声に惹きつけられた。
まったくはじめて聞く名前であったが、どうしてもアルバムを聞きたくなり、まずはベスト・アルバムがいいだろうと手にしたのがこの「ソングバード」である。
今回は、エヴァ・キャシディのベスト・アルバム「ソングバード」の感想を綴ってみたいと思う。
エヴァ・キャシディの「ソングバード」
エヴァ・キャシディのベスト・アルバム「ソングバード」の収録曲は、全10曲。
スタンダードな名曲が多いが、ジャンルもさまざまでバラエティー豊かな楽曲が揃っている。
初めて聞く曲も多かった。
エヴァ・キャシディ「ソングバード」の収録曲は、以下の通り。
「ソングバード」 エヴァ・キャシディ
収録曲
1.Fields Of Gold
2.Wade In The Water
3.Autumn Leaves
4.Wayfaring Stranger
5.Songbird
6.Time Is A Healer
7.I Know You By Heart
8.People Get Ready
9.Oh Had I A Golden Thread
10.Over The Rainbow
1998年の発表。
エヴァ・キャシディのベスト・アルバム「ソングバード」の感想
全10曲聞き終えた頃には、すっかりエヴァ・キャシディの世界に引きずり込まれていた。
ちょっとジャンル分けも難しいなと思いつつ、それがまた気に入ってもいた。
おそらくいい曲ならどんなジャンルでもかまわないという考えなのだろう。
この頃ジャンルにこだわらずにいろいろな音楽を聞きたいと思っていた筆者の気持ちに重なるものを感じた。
とはいえ、歌い回しからは、ソウルやブルースがベースなのは明らかで、そこにエヴァ・キャシディの個性が加わるというスタイルである。
このスタイルで、ジャズやブルース、ソウル、フォークなどの名曲を自分の色に染めていくのである。
エヴァ・キャシディに限ったことではないが、天才的なミュージシャンというのは他人が書いた曲でもまるで自分の曲のようにしてしまう不思議な力を持っている。
アルバムでは、スティング、カーティス・メイフィールド、ピート・シーガー、フリートウッド・マックやトラディショナルの曲を歌っているが、どれもエヴァ・キャシディ色に染め上げており、素晴らしい。
個人的にこのアルバムでは「Fields Of Gold」、「Autumn Leaves(枯葉)」、「Over The Rainbow」が気に入った。
特に「Autumn Leaves(枯葉)」は、いろいろな人がカバーしているが、これほどの説得力を持って惹きつけられたヴァージョンは記憶にない。
エヴァ・キャシディの「ソングバード」は、充実したベスト・アルバムといえるだろう。
エヴァ・キャシディの「ソングバード」の感想~まとめ
今回は、エヴァ・キャシディのベスト・アルバム「ソングバード」の感想を綴ってみた。
そんなエヴァ・キャシディであるが、ぜひ生の歌声を聞いてみたいと思い、今どうしているんだろうと調べてみたら、なんとすでに故人であった。
しかも33歳の若さで亡くなっている。なんということだろう。
こんな才能ある人がもったいない。
発表しているアルバムも数枚しかないらしいが、「ソングバード」は、はじめてエヴァ・キャシディを聞くには正解のアルバムだった。
亡くなってから評価が高まっているらしいが、当然のことだろう。
これだけの歌はそうそう歌えないと思うから。
魂に触れるようないい歌を聞きたくなったら迷わずエヴァ・キャシディをおすすめしたい。
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