1985年5月15・16日、少年は、再結成ディープ・パープルのライブを武道館で見た。
ここで、生まれて初めてクラシック音楽の良さに気がついた、というのは以前にも書いたが、いやぁ思わぬ副産物であった。
リッチー・ブラックモアとジョン・ロードがクラシック好きというのは知ってはいたが、自分にはどうも向いてないというか聞いても退屈だったので、まさか自分が!という感じであった。
ディープ・パープルを聞いてクラシック・ギターへ
早速、開演前に流れていたバッハのオルガン曲を聞こうと思ったのだが、早くも問題発生。
あの一番有名な曲なのだが、曲名がわからない。
バッハのオルガン曲は山ほどある。
困った…。
わからないままレコード買って、違ってたら大変だ。
今ほど情報もない時代だからどうしようと思っていたが、ラジオがあった。
ラジオは無料だし、曲の始まりと終わりに曲名を言ってくれる。
番組表にも曲名が書いてある。
そして、苦労してやっと判明した。
「トッカータとフーガ ニ短調」だった。
聞いてると、あの武道館の雰囲気が蘇ってきた。
家で聞いてもいいなと思った。
昔はあんなにいやだったのに…。
そんな自分に驚きながらも、なんでクラシックの曲名ってこういう風にわかりづらいんだとも思った。
「運命」とか「田園」とかにしてくれれば、わかりやすくて親しみも湧くような気がするのだが…。
こいうのって副題って言われてるみたいだけど、今からでも全部の曲に付けてはどうだろうか?
今の無機質な曲名よりはいいし、何よりも普及に役立つと思う。
ただ、大変な作業になるだろうけど…。
慣れるまでは、曲名がわからずにお目当ての曲までたどりつけずに苦労したものだ。そんなきっかけでクラシックを聞くようになってから、ある日、「グリーンスリーブス」を弾きたいなぁと思うようになった。
リッチー・ブラックモアもよくやってるスコットランド民謡の曲だ。
クラシック・ギターのレッスンに通い始めたのはまさにこの「グリーンスリーブス」がきっかけで、フラフラとギター教室の扉をたたいたのだった。
クラシック・ギターとエレキ・ギターの違い
クラシック・ギターは、全くの初心者だったので、エレキ・ギターとの違いには面食らったことが多くある。
エレキ・ギターとの大きな違いとしては、
1.エレキ・ギターに比べて、ネックが太い
2.音がすぐ消える
3.ハイ・ポジションが弾きづらい
4.左足に足台を置く
といったところか。エレキ・ギターしかやってこない人にとっては、弾きづらさは天下一品で、滑らかに弾けるようになるまでは、相当の練習が必要だし、握力も鍛えられる。
ランディ・ローズのプレイがレガートなのは、もしかしたらこの辺からきているかもしれない。
それとフィンガー・ピッキングだ。
伴奏とメロディーをひとりで弾かなくてはならない。
ロック・バンドならソロを弾いている間は他の楽器やギターが伴奏をしてくれる。
そしてもうひとつ苦労したのが楽譜である。
それまでは、tab譜(ギターの6本の弦に数字をふって押さえる場所を示す)しか見てなかったので、五線譜のおたまじゃくしには今だに苦労している。
とまあエレキ・ギターより楽なことって、はっきり言って見当たらない。
ギターという括りではあっても全く違う楽器といった感覚があります。
でもやっぱりレッスンを受けた印象としては、技術と音楽性は明らかに伸びると思う。
自分の適正というか、一番好きな音楽がハード・ロックだというのもわかったのだが…。
ディープ・パープルを聞いてクラシック・ギターへ~まとめ
というわけで、クラシック・ギターをやって役立ったことは、
1.とにかく弾きづらいので技術が身につく
2.ソロも伴奏もひとりでやるので、音楽性が上がる
3.譜面に強くなる
というところだが、結論としては、やったほうが明らかに世界は広がったように思う。
やったことは、ロックの分野でも生かされるし、やっぱり違う世界を知る楽しさには新鮮な驚きがあった。
もし、エレキ・ギター以外のギターにもトライしてみたいという方がいらっしゃれば、参考にしていただければ、と思う。
それと最後に筆者は今まで3人の先生に就いたが、今の先生が一番相性がいい。
まあ、ハード・ロックにも興味持ってくれるからということもあるからだが、遊びで「ドクター、ドクター」を弾いてたりするいい曲だと言いながら加わってくるのだ。
先生との相性も重要で、いい先生に就くのが長続きする秘訣かも?
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