エレキギターはアンプなしでもある程度の生音が出るため、アパートやマンションなど集合住宅での練習には気をつかうものです。「どのくらい音が漏れているのか?」「隣や上下階に迷惑をかけていないか?」と心配しながら練習している方も多いのではないでしょうか。
今回は、エレキギターの生音がアパートでどれほどうるさいのか、また、苦情を避けながら練習するための現実的な対策について詳しく解説していきます。音を「消す」ための工夫や、深夜でも安心して練習できる方法も紹介していますので、日々のストレスを減らしたいギタリストの方はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- エレキギターの生音がアパートでどのくらい響くのか
- マンション・木造・一軒家の構造による音の伝わり方の違い
- 苦情を避けるための練習時間帯やサイレントギターの活用
- ヘッドホンを使った静音練習のメリットと注意点
エレキギターの生音はアパートでどのくらいうるさいのか?

アパートやマンションなどの集合住宅では、エレキギターの生音でも意外と音が響いてしまうことがあります。特に夜間や深夜に練習する場合、隣や上下の部屋にどの程度音が届いているのか気になる方も多いでしょう。
ここでは、エレキギターの生音が実際にどのくらいうるさいのか、部屋の構造や建物の種類によって音の響き方にどんな違いがあるのかを詳しく見ていきます。
どのくらい音が響くのか?
エレキギターはアンプを通さなければ「静か」と思われがちですが、実際にはそれなりの音量が発生します。特に夜間や静かな時間帯になると、生音でもかなり響きます。ピッキングの音や弦の振動音、ボディに伝わる打音などは、建物の構造によっては壁や床を通じて他の部屋に届くこともあります。
一般的なアパートや木造住宅では、防音性がそれほど高くないため、生音でも生活音以上に感じられてしまうことがあります。特にフルピッキングで弾く場合、ギター本体から出る音に加え、床や壁を通じての振動も伝わるため、思っている以上に周囲に響いてしまうのです。
また、時間帯や周囲の環境によっても体感音量は変わります。昼間ならそれほど気にならない音でも、夜になると目立つようになり、隣人が「うるさい」と感じる原因にもなります。静かな環境では、エレキギターの生音は意外と強い存在感を放つのです。
隣の部屋への影響は?
アパートでエレキギターを弾く際に最も気をつけたいのが「隣の部屋への音漏れ」です。壁を隔てたすぐ向こうに誰かが生活している環境では、小さな音でも気になることがあります。エレキギターの生音は、直接的な音よりも「打音」や「振動」が問題になるケースが多いです。
特に、ボディを叩くようなストロークや、弦を強く弾いたときの金属音は壁を通じて伝わりやすく、静かな夜には意外と遠くまで響いてしまいます。また、ギターの位置も重要で、壁に近づけて演奏すると、そのぶん隣室に音が伝わりやすくなります。
一見静かに思える生音でも、蓄積されると隣人にとっては「継続的なストレス」となることがあります。特に相手が音に敏感な場合や在宅時間が長い場合、騒音トラブルに発展する可能性もあります。防音マットや練習の時間帯を工夫するなど、音の伝わり方を最小限に抑える意識が大切です。
部屋の構造と音の伝わりやすさ
エレキギターの生音がどの程度響くかは、実は「部屋の構造」に大きく左右されます。壁の厚さや材質、床の構造、天井の高さなどが音の反響や伝導に大きく影響します。特にアパートなどの集合住宅では、壁や床が薄かったり、隣室との空間が密接していたりするため、思っている以上に音が伝わってしまうことがあります。
例えば、床がフローリングの場合、弦を弾いた振動がギターから体、椅子や床へと伝わり、建物全体に広がっていくことがあります。カーペットやラグマットなどで床を覆うだけでも、こうした振動音を軽減することができます。
また、コンクリート壁か石膏ボード壁かによっても音の透過性が異なります。コンクリート壁は比較的音を遮りますが、完全ではなく、構造体を通じて隣室へと音が回り込む可能性もあります。壁際で演奏するのではなく、部屋の中央で音が広がりにくい配置を心がけることも、隣室への配慮につながります。
マンション・アパート・木造住宅の違い
エレキギターを練習する環境として、住んでいる住宅の種類によって「どれだけ音に気をつけるべきか」は大きく変わってきます。特に、マンション・アパート・木造住宅ではそれぞれ構造に違いがあり、それがそのまま防音性能に直結しています。
一般的に、鉄筋コンクリート造のマンションは遮音性が高めです。音が壁を通過しにくいため、生音レベルであれば苦情に発展しにくい傾向があります。ただし、それでも床や天井を伝う振動音には注意が必要です。
一方でアパートや木造住宅は、遮音性が低い場合が多く、生音であっても「騒音」と感じられるリスクが高まります。木造の場合、壁や床が音を吸収せず、むしろ反響してしまうことがあるため、注意が必要です。
また、古い建物になると構造そのものが音を通しやすい傾向があるため、時間帯や演奏スタイルに一層の配慮が求められます。住宅の構造を理解したうえで、できる限り音が響かない方法を選ぶことが、快適な演奏環境づくりの第一歩です。
木造アパートでの注意点
木造アパートでエレキギターを練習する場合は、特に音の伝わりやすさに注意が必要です。木造建築は構造上、音や振動が鉄筋コンクリート造に比べて格段に通りやすく、思っている以上に周囲に響いてしまいます。たとえアンプを使っていなくても、生音の打音や弦の振動、椅子や床を通じた微細な揺れが、上下左右の住戸に届いてしまうケースもあります。
さらに、築年数の古い木造アパートは、防音対策がほとんど施されていないことが多いため、日中でも少しの音がトラブルの原因となりかねません。特に夜間や休日など、住人が静かに過ごしている時間帯は注意が必要です。
対策としては、厚手のラグを敷いたり、椅子の脚に防振パッドを取り付けたりといった「振動を抑える工夫」が非常に効果的です。また、演奏する際は壁から距離を取り、部屋の中央に近い位置で練習するようにしましょう。可能であれば、サイレントギターやヘッドホン対応のアンプを使用することで、音漏れリスクを大幅に軽減できます。
木造アパートでは、「思ったよりも響く」という前提で慎重に環境を整えることが、快適なギターライフを守るポイントになります。
エレキギターの生音練習をアパートでするための実践的な対処法

アパートやマンションなどの集合住宅でギター練習を続けるには、周囲への配慮が欠かせません。エレキギターはアンプなしでもある程度の音が出るため、何も対策をしないと「うるさい」と感じられてしまうこともあります。
ここでは、生音をできるだけ「消す」ための工夫や、苦情を避けるための練習時間帯の考え方、さらにはサイレントギターやヘッドホンを活用した静音練習法まで、すぐに取り入れられる実践的な対策を紹介します。
生音をなるべく「消す」ための工夫とは
エレキギターの生音は意外と響くため、「音を消す工夫」はアパートでの練習において非常に重要です。完全な無音は難しいものの、少しの工夫で音量を大きく抑えることが可能になります。
まず手軽にできる対策として、弦に「ミュートグッズ」や「ダンパー」を装着する方法があります。スポンジや専用のサイレンサーを弦に挟むことで、振動が抑えられ、ピッキング音を大幅に軽減できます。さらに、ブリッジ部分にゴム製のマットを挟むと、ボディからの共鳴音も抑えることができます。
また、ピックを使わず指で弾く「フィンガーピッキング」も音量を抑えるのに効果的です。ピックのアタック音がなくなることで、全体的にソフトな響きになります。加えて、部屋の壁に吸音材を貼ったり、床に厚手のラグを敷いたりするのも、音の反射や振動を抑える有効な方法です。
こうした小さな工夫の積み重ねが、近隣への配慮につながり、快適な練習環境を作ることができます。
「アンプなし」での練習は本当に静か?
エレキギターをアパートで弾く場合、「アンプを使わなければ静かだから大丈夫」と考える人も多いかもしれません。しかし実際には、アンプを使わない状態でも“完全に静か”というわけではありません。
アンプなしでも、弦をピッキングする音やボディの共鳴、フィンガーボードを押さえる際のタップ音など、さまざまな音が発生します。特にストロークを多用する演奏スタイルでは、連続する打音が意外と目立ち、木造アパートなどでは隣や下の階に響いてしまうことがあります。
また、アンプを使わない状態であっても、夜間や早朝など周囲が静まり返っている時間帯では、少しの音でも響きやすくなります。加えて、壁や床が薄い構造の住宅では、思っている以上に音が外へ漏れてしまうことも。
「アンプなし=無音」という認識は少し危険です。アンプを使わない場合でも、生音の工夫や演奏時間の配慮を忘れずに行うことが、トラブルを防ぐカギになります。
周囲に配慮した「練習時間」の選び方
アパートでエレキギターの練習をする場合、「いつ弾くか」は非常に重要なポイントです。どんなに音を抑えていても、時間帯によってはトラブルの原因になります。周囲への配慮を第一に、生活音が多い時間帯を選ぶのが基本です。
もっとも無難な時間帯は、平日の夕方から夜の早い時間(17時〜20時)です。この時間は周囲も生活音が多く、多少の楽器音が混ざっても目立ちにくくなります。逆に、早朝(〜9時)や深夜(21時以降)は生活音が少なく、生音でも響きやすくなり避けた方がよいでしょう。
また、休日の午前中や昼過ぎは在宅率が高く、隣人がゆっくりしている時間帯である可能性があるため、注意が必要です。可能であれば、事前に隣人へ「〇時〜〇時の間に練習しています」と伝えておくことで、余計な誤解やトラブルを防げるケースもあります。
音の大きさだけでなく「時間帯」への配慮も、円満なご近所付き合いを続けるための大切なマナーです。
「サイレントギター」という選択肢もアリ
エレキギターの生音問題に悩んでいる方にとって、「サイレントギター」は非常に魅力的な選択肢です。これは音を最小限に抑えることを目的に設計されたギターで、アパートやマンションなどの集合住宅での練習に最適です。
サイレントギターは、一般的なギターのような共鳴胴を持たず、木材のフレーム構造で作られているため、生音が非常に小さく、周囲への音漏れを最小限に抑えることができます。それでいて、ヘッドホンを接続すれば自分にはしっかりとリアルなギターサウンドが聞こえるので、練習の質を落とすことなく静かにプレイ可能です。
また、ラインアウト端子がついているモデルも多く、録音やスマホとの接続も簡単です。夜間の練習や、家族・隣人に配慮が必要な環境では、非常に効果的な選択となるでしょう。
価格は通常のエレキギターより少し高めになることもありますが、「練習環境の静音性」を重視する人にとっては、十分に価値のある投資です。
ヘッドホンを使った練習スタイルのすすめ
エレキギターをアパートで練習する際、最も効果的かつ現実的な防音対策のひとつが「ヘッドホンを使った練習スタイル」です。これは周囲に音を漏らさず、自分だけが音を聞くことができるため、隣人トラブルのリスクを大幅に下げることができます。
最近のマルチエフェクターや小型アンプにはヘッドホン端子が搭載されているモデルが多く、シールドをつなげばそのまま静かにプレイ可能です。さらにスマートフォンのアプリと連動する「アンプシミュレーター」や「モデリングエフェクター」を使えば、プロレベルのサウンドをヘッドホンで楽しみながら演奏することもできます。
また、練習中にメトロノームや伴奏を流す場合も、すべてを自分だけで完結できるため、夜間や深夜でも安心して練習できる点が魅力です。静音性を保ちつつ、練習の質も下げないという理想的な方法といえるでしょう。
特に集合住宅では、「音を出さない」という選択肢が最も安全です。ヘッドホンを活用することで、音漏れの不安を解消し、時間帯を問わず自分のペースで集中して練習することができます。
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エレキギターの生音練習はアパートでうるさい?~まとめ
今回は、エレキギターの生音がアパートでどれほどうるさいのか、また、苦情を避けながら練習するための現実的な対策について解説してきました。
この記事のポイントをまとめます。
- エレキギターの生音でも意外とアパート内に響くことがある
- 建物の構造(木造・鉄筋など)によって音の伝わり方は大きく異なる
- 隣や上下の部屋にどのくらい音が届くかは時間帯や壁の厚さにも左右される
- 木造アパートは音が響きやすく、特に深夜の練習は注意が必要
- 生音を「消す」ためにミュートグッズなどを使った工夫が効果的
- アンプなしの練習も完全に無音ではないので注意が必要
- 練習時間は昼〜夕方など常識的な時間帯を選ぶことがトラブル回避につながる
- サイレントギターは音漏れを最小限に抑えられる選択肢として有効
- ヘッドホン練習は周囲を気にせず集中できる手段のひとつ
- 周囲との関係を良好に保つには、音への配慮とマナーが重要
エレキギターの練習は、工夫と配慮をすればアパートでも十分に続けることが可能です。自分の演奏を上達させるためにも、まずは音がどのように伝わるかを理解し、適切な対処を取り入れていくことが大切です。
この記事で紹介した方法を活用し、周囲に迷惑をかけずに快適なギターライフを送りましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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