その生涯の中でさまざまな音楽スタイルでプレイしてきたゲイリー・ムーアであるが、どのジャンルにも傑作と呼ぶにふさわしい名盤を生み出してきた。
時にはジャズやフュージョンまでプレイしてきたゲイリー・ムーアのおすすめの名盤はどれか、それぞれのジャンルから1枚ずつチョイスするとしたらどれがいいのだろうか?
今回は、ゲイリー・ムーアのおすすめの名盤として珠玉の傑作アルバムを3枚厳選して紹介してみたいと思う。
ゲイリー・ムーアのおすすめの名盤
ゲイリー・ムーアの長いキャリアからおすすめの名盤を紹介するといっても、ソロ・アルバムだけでも20枚を数える。
スキッド・ロウやシン・リジィ、コロシアムIIなどのバンドを含めればさらに膨大な数に上るが、名盤となるとソロ・アルバムに集中しているといって間違いないだろう。
音楽性も幅広く70年代はフュージョンやハードロック(アイリッシュ含む)、80年代はハードロック(アイリッシュ含む)、そして90年代以降はブルースと時代によって七変化してきた。
そして、ゲイリー・ムーアの名盤は大きくハードロック、アイリッシュ、ブルースの3つのジャンルに分けられる。
今回は、この3つのジャンルからゲイリー・ムーアの珠玉の傑作アルバムを、1枚ずつ合計3枚紹介したいと思う。
ゲイリー・ムーアのおすすめの名盤~大いなる野望(Corridors of Power)
収録曲
1. ドント・テイク・ミー・フォー・ア・ルーザー(Don’t Take Me for a Loser)
2. オールウェイズ・ゴナ・ラヴ・ユー(Always Gonna Love You)
3. ウィッシング・ウェル(Wishing Well)
4. ゴナ・ブレイク・マイ・ハート・アゲイン(Gonna Break My Heart Again)
5. フォーリング・イン・ラヴ・ウィズ・ユー(Falling in Love with You)
6. エンド・オブ・ザ・ワールド(End of the World)
7. ロッキン・エヴリ・ナイト(Rockin’ Every Night)
8. コールド・ハーテッド(Cold Hearted)
9. アイ・キャント・ウェイト・アンティル・トゥモロー(I Can’t Wait Until Tomorrow)
メンバー
ギター&ヴォーカル:ゲイリー・ムーア
ドラムス:イアン・ペイス
ベース:ニール・マーレイ
キーボード:トミー・アイアー
1982年の発表。
ゲイリー・ムーアの4作目のスタジオ・アルバムで、出世作となった名盤がこの「大いなる野望(Corridors of Power)」だ。
80年代はハードロック全盛の時代ということもありゲイリー・ムーアもハードロック路線で活躍していたわけだが、リッチー・ブラックモアやマイケル・シェンカーなどのギター・ヒーローと並ぶきっかけにもなったのがこの「大いなる野望(corridors of power)」で、当時その人気は凄まじいものがあった。
内容も「ドント・テイク・ミー・フォー・ア・ルーザー」や「エンド・オブ・ザ・ワールド」「ロッキン・エヴリ・ナイト」などハードロックの王道をいく曲や「オールウェイズ・ゴナ・ラヴ・ユー」や「フォーリング・イン・ラヴ・ウィズ・ユー」「アイ・キャント・ウェイト・アンティル・トゥモロー」などメロディアスなバラード、「ウィッシング・ウェル」や「コールド・ハーテッド」のようなブルース・ロックと多彩で音楽性豊か。
当時、お蔵入りになっていた前作「ダーティ・フィンガーズ」に構成など似ていなくもないが、より洗練された感があって間違いなくハードロックの名盤といえる。
ゲイリー・ムーアのおすすめの名盤~ワイルド・フロンティア(Wild Frontier)
収録曲
1. 望郷の果て(Over the Hills and Far Away)
2. ワイルド・フロンティア(Wild Frontier)
3. テイク・ア・リトル・タイム(Take a Little Time)
4. ザ・ローナー(The Loner)
5. フライデイ・オン・マイ・マインド(Friday on My Mind)
6. 暗黒の侵入者(Strangers in the Darkness)
7. 雷鳴(Thunder Rising)
8. ジョニー・ボーイ(Johnny Boy)
メンバー
ギター&ヴォーカル:ゲイリー・・ムーア
キーボード:ニール・カーター
ベース:ボブ・デイズリー
1987年の発表。
ゲイリー・ムーアの8作目のスタジオ・アルバムで、シン・リジィの「ブラック・ローズ」以来のアイリッシュ・テイストを盛り込んだ名盤がこの「ワイルド・フロンティア(Wild Frontier)」だ。
1986年1月に亡くなったアイルランドの盟友フィル・ライノットへ捧げられたが、個人的にはゲイリー・ムーアの最高傑作として別格のアルバムと捉えている。
「望郷の果て」や「ワイルド・フロンティア」など、アイリッシュ・テイストを感じさせる曲が多いのは当然だが、そのすべてが味わい深くケルト風の哀愁を感じさせる。
そんな中でひと際異彩を放つ名曲が「ザ・ローナー」で、ゲイリー・ムーアのオリジナルではないが、感情移入の激しいゲイリー・ムーアのギター・プレイが全編に展開する魂の超名演。
ゲイリー・ムーアのおすすめの名盤~スティル・ゴット・ザ・ブルース(Still Got the Blues)
収録曲
1.ムーヴィング・オン(Moving On)
2.オー・プリティ・ウーマン(Oh Pretty Woman)
3.ウォーキング・バイ・マイセルフ(Walking by Myself)
4.スティル・ゴット・ザ・ブルーズ(Still Got the Blues (For You))
5.テキサス・ストラット(Texas Strut)
6.トゥー・タイアード(Too Tired)
7.キング・オブ・ザ・ブルーズ(King of the Blues)
8.アズ・イヤーズ・ゴー・パッシング・バイ(As the Years Go Passing by)
9.ミッドナイト・ブルーズ(Midnight Blues)
10.ザット・カインド・オブ・ウーマン(That Kind of Woman)
11.オール・ユア・ラヴ(All Your Love)
12.ストップ・メッシン・アラウンド(Stop Messin’ Around)
メンバー
ギター&ヴォーカル:ゲイリー・ムーア
ギター:アルバート・キング(2)、アルバート・コリンズ(6)、ジョージ・ハリスン(10)
キーボード:ドン・エイリー、ミック・ウィーヴァー、ニッキー・ホプキンス
ベース:アンディ・パイル、ボブ・デイズリー
ドラムス:グラハム・ウォーカー、ブライアン・ダウニー
トランペット:ラウル・ドリヴェイラ、ステュアート・ブルックス、マーティン・ドローヴァー
サクソフォーン:フランク・ミード、ニック・ペンタロウ、アンドリュー・ハミルトン、ニック・ペイン
ストリングス・リーダー:ギャヴィン・ライト
1990年の発表。
ゲイリー・ムーアの10作目のスタジオ・アルバムで、キャリア初のブルース・アルバムとしてリリースした名盤が、この「スティル・ゴット・ザ・ブルース(Still Got the Blues)」だ。
このブルース路線が功を奏し、この「スティル・ゴット・ザ・ブルース(Still Got the Blues)」はゲイリー・ムーアのキャリア最大のヒット・アルバムとなった。
しかし、ブルース路線とはいいながら、曲以外のサウンドやギター・プレイ自体はハードロック時代とそれほど大きくはかけ離れたものではないように感じる。
ブルース色は濃いものの弾きまくりや泣きのギターなどゲイリーのギター・プレイは不変でで、音楽のフォーマットが少し変わっただけである。
その後も続くブルース路線の中では間違いなく、この「スティル・ゴット・ザ・ブルース(Still Got the Blues)」が最高の名盤だろう。
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ゲイリー・ムーアのおすすめの名盤~まとめ
今回は、ゲイリー・ムーアのおすすめの名盤として珠玉の傑作アルバムを3枚厳選して紹介してきた。
ゲイリー・ムーアのおすすめの名盤は、ハードロックの名盤として「大いなる野望(Corridors of Power)」、アイリッシュの名盤として「ワイルド・フロンティア」、ブルースの名盤として「スティル・ゴット・ザ・ブルース(Still Got the Blues)」をあげたい。
個人的には名盤・名曲が集中している80年代のアルバムなら、どれを選んでも間違いはなくおすすめである。
ゲイリー・ムーアの珠玉の傑作アルバム3枚をぜひ堪能していただければと思う。
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