エイドリアン・ヴァンデンバーグ率いるヴァンデンバーグが復活し、35年ぶりとなる新譜「2020」をリリースした。
ボーカルにはレインボー他の活躍で知られるロニー・ロメロを起用しているということもあり、リリース前から話題のアルバムとなっているが、はたしてヴァンデンバーグの新譜「2020」の出来はどうだろうか?
今回は、ロニー・ロメロがボーカルで参加したヴァンデンバーグの新譜「2020」の感想を綴ってみたいと思う。
ヴァンデンバーグの新譜2020
ヴァンデンバーグの新譜「2020」は、ヴァンデンバーグ4作目のスタジオ・アルバムで1985年リリースの「アリバイ(Alibi)」以来、実に35年ぶりのアルバムとなる。
この間、エイドリアン・ヴァンデンバーグはホワイトスネイクへの参加をはじめ、マニック・エデン、ヴァンデンバーグズ・ムーンキングスで活躍してきたのはよく知られているところだろう。
収録曲は、9曲がこのアルバムのために新たに書き下ろされ、再録された「バーニング・ハート2020(Burning Heart2020)」を加えて全10曲となっている。
昨今のCDの収録曲数としては幾分少ない印象を受けるが、80年代のヴァンデンバーグ時代も収録曲は9~10曲だったのであまり不必要に長くしたくないという気持ちの表れかもしれない。
メンバーはボーカルのロニー・ロメロ以外は地元オランダの精鋭のリズム隊を起用しているが、ヴァンデンバーグズ・ムーンキングスとは違うメンバーだ。
ヴァンデンバーグの新譜「2020」の収録曲とメンバーは、以下の通り。
ヴァンデンバーグ「2020」
収録曲
1.シャドウズ・オブ・ザ・ナイト(Shadows Of The Night)
2.フレイト・トレイン(Freight Train)
3.ヘル・アンド・ハイ・ウォーター(Hell and High Water)
4.レット・イット・レイン(Let It Rain)
5.ライド・ライク・ザ・ウィンド(Ride Like The Wind)
6.シャウト(Shout)
7.シットストーム(Shitstorm)
8.ライト・アップ・ザ・スカイ(Light Up The Sky)
9.バーニング・ハート2020(Burning Heart2020 Re-Recorded Version)
10.スカイフォール(Skyfall)
メンバー
ギター:エイドリアン・ ヴァンデンバーグ
ヴォーカル:ロニー・ロメロ
ベース:ランディ・ファン・デル・エルセン
ドラムス:コーエン・ヘルフスト
スペシャル・ゲスト
ベース:ルディ・サーゾ
ドラムス:ブライアン・ティッシー
2020年5月22日、日本先行発売(海外は5月29日発売)
ヴァンデンバーグの新譜2020の感想
ヴァンデンバーグの新譜「2020」は、期待通りのアルバムに仕上がったのではないかと思う。
思い返せば、長いブランクの後に2014年に「ヴァンデンバーグズ・ムーンキングス」で復活した時には当然、80年代ヴァンデンバーグの音楽性を踏襲するものとばかり思っていたが、実際には70年代のブルース・ロックの色が濃いマニック・エデンの続編に近い音楽性であった。
これには期待していたファンは肩透かしを食った気分だったと想像するが、今回の新譜「2020」は違う。
ブルース色は後退し、80年代のヴァンデンバーグをよりラウドにヘヴィにしたまさに2020年版にブラッシュアップし、そこにエイドリアン・ヴァンデンバーグならではの湿ったヨーロッパ的な美しいメロディーが乗った内容になっている。
これなら多くのヴァンデンバーグ・ファンが納得するであろう、素晴らしい出来となっている。
上述のようにいたずらに曲数を増やすこともなく、緊張感を保ったまま全10曲を飽きさせずに一気に聞かせてくれる。
ヴァンデンバーグというバンド名を再び使うことに躊躇いもあったというが、エイドリアン・ヴァンデンバーグがこれまで在籍したバンドの中では間違いなくヴァンデンバーグの音楽性に最も近いといえる。
メンバーはエイドリアン・ヴァンデンバーグ以外は、80年代のヴァンデンバーグ在籍メンバーはいないがもともとすべての曲をエイドリアンが書いてきたバンドである。
新譜「2020」の音を聞けば、むしろヴァンデンバーグを名乗ることは自然なことで違和感を持つ人はいないのではないだろうか。
エイドリアン本人にとっても久々の会心作ではないかと思う。
ヴァンデンバーグの新譜2020~ボーカルはロニー・ロメロ
ヴァンデンバーグの新譜「2020」の注目されるのが、ボーカルのロニー・ロメロの参加である。
再結成レインボーのボーカルとしてリッチー・ブラックモアに抜擢されてからというもの、ローズ・オブ・ブラック、Nozomu Wakai’s DESTINIA、コアレオーニなど多くのバンドから引っ張りだこになっている。
エイドリアン・ヴァンデンバーグもロニー・ロメロの実力を高く評価しており、ロニー・ロメロが歌うことを念頭に置いて書いた楽曲は、よりラウドにヘヴィにという2020年のヴァンデンバーグに欠かせない大きな存在になっているといっていいだろう。
80年代のヴァンデンバーグの場合は、バート・ヒーリンクのボーカルではどうしても線の細さを感じることがあったが、ロニー・ロメロのボーカルではよりスケールアップして新生ヴァンデンバーグが一段上のレベルに達したことを感じさせる。
早くもこのメンバーでのライブが期待されるところだが、ロニー・ロメロのボーカルで80年代のヴァンデンバーグの楽曲がよりパワーアップするのは間違いないだろう。
今回の新譜「2020」では、80年代の楽曲は「バーニング・ハート2020(Burning Heart2020)」のみの披露となったが、素晴らしい出来となっており早い時期での来日公演が待たれるところだ。
ヴァンデンバーグ2020の感想~まとめ
今回は、ロニー・ロメロがボーカルで参加したヴァンデンバーグの新譜「2020」の感想を綴ってみた。
ヴァンデンバーグの新譜「2020」は、ブルース色が後退し80年代のヴァンデンバーグをよりラウドにヘヴィに2020年版にブラッシュアップした会心作となっている。
80年代のヴァンデンバーグが好きだったファンには間違いなくおすすめのアルバムだ。
ボーカルのロニー・ロメロの貢献度も大きく、ヴァンデンバーグの新譜「2020」をさらにスケールアップさせている。
再録した「バーニング・ハート2020(Burning Heart2020)」の素晴らしく、早い時期での来日公演を期待したい。
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