新型コロナウイルスの影響により不可能ではないかと思われていた今年2020年のウィーン・フィルの来日公演が、11月に決定した。
あらゆるオーケストラやアーティストの来日公演が中止または延期を余儀なくされている中での来日公演ということで、いつものウィーン・フィルの来日公演とは違った注目を集めるのは間違いないところ。
2020年の来日公演のスケジュールや会場は、いつもの来日公演と違いはあるのだろうか?
今回は、ウィーン・フィル来日公演2020のスケジュールと会場・曲目・指揮者などについて見ていきたいと思う。
ウィーン・フィル来日公演2020のスケジュールと会場
ウィーン・フィルの来日公演2019のスケジュールは、11月6日の福岡公演を皮切りに全国4都市7公演となっている。
2019年の来日公演と公演数は変わらずに昨年2019年の名古屋公演に代わって福岡公演が加わった形だが、特にコロナ禍だからといって大きな違いは見られていない。
しかし、ロックダウン中のオーストリアから約120名の大所帯が来日するということで新型コロナウイルス感染への対策は大丈夫なのか気になるところだが、コロナウイルス検査はもちろんのこと、チャーター機での来日、日本国内の移動もバスや新幹線号車の貸し切り、滞在中は宿泊施設とコンサートホール間の移動以外の外出は行わないなど徹底したコロナ対策を施しての来日公演となる。
確かにリスクはゼロとはいえないかもしれないが、この来日公演がコロナ対策という意味で成功のうちに終えれば今後の音楽界にとって大きな一歩となるだろう。
ウィーン・フィル来日公演2020スケジュールと会場は、以下のようになっている。
ウィーン・フィル来日公演2020スケジュールと会場
2020年11月5日(木) 19:00開演 (18:15開場)
福岡・北九州ソレイユホール
2020月11月6日(金) 19:00開演(18:00開場)
大阪・フェスティバルホール
2020年11月8日(日) 17:00開演
神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホール
2020年11月9日(月) 19:00開演(18:20開場)
東京・サントリーホール
2020年11月10日(火) 19:00開演(18:20開場)
東京・サントリーホール
2020月11月13日(金) 19:00開演(18:20開場)
東京・サントリーホール
2020年11月14日(土) 16:00開演(15:20開場)
東京・サントリーホール
ウィーン・フィル来日公演2020の曲目
続いて、気になるのが来日公演2020の曲目だが、今回は指揮者がロシア人ということもありロシア系の楽曲を中心としたものになっている。
ソリストも2名参加予定だが、こちらの曲目もロシア系の楽曲である。
その中でも連日のように演奏される予定のチャイコフスキーの交響曲第6番ロ短調「悲愴」が来日公演2020のハイライトか?
ロシア系以外では11月13日(金)東京公演のベートーヴェンとR.シュトラウスのドイツ系、11月14日(土)東京公演のドビュッシーのフランス系が各1回のみある。
ウィーン・フィル来日公演2020の曲目は、以下のようになっている。
ウィーン・フィル来日公演2020の曲目
2020年11月5日(木) 福岡公演
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調(ピアノ:デニス・マツーエフ)
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」
2020月11月6日(金) 大阪公演
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲イ長調(チェロ:堤 剛)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調(ピアノ:デニス・マツーエフ)
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」
2020年11月8日(日) 神奈川公演
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より
「モンタギュー家とキャピュレット家」
「少女ジュリエット」
「仮面」
「ジュリエットの墓の前のロメオ」
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調(ピアノ:デニス・マツーエフ)
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」
2020年11月9日(月) 東京公演
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調(ピアノ:デニス・マツーエフ)
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲イ長調(チェロ:堤 剛)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」
2020年11月10日(火) 東京公演
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より
「モンタギュー家とキャピュレット家」
「少女ジュリエット」
「仮面」
「ジュリエットの墓の前のロメオ」
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調(ピアノ:デニス・マツーエフ)
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」
2020月11月13日(金) 東京公演
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲イ長調(チェロ:堤 剛)
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
2020年11月14日(土) 東京公演
ドビュッシー:「牧神の午後への前奏曲」
ドビュッシー:交響詩「海」~3つの交響的スケッチ~
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」
ウィーン・フィル来日公演2020の指揮者とソリスト
今回のウィーン・フィル来日公演2020の指揮者はロシアの巨匠ワレリー・ゲルギエフで、ウィーン・フィルとの来日公演は実に16年ぶりになる。
2019年はマリインスキー歌劇場管弦楽団、2018年はミュンヘン・フィルと来日公演を行っており、人気の指揮者だけに今回のウィーン・フィルとの来日公演2020も大いに期待される。
ソリストは2名で、まずはチェロで日本を代表するチェリスト堤剛がチャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲イ長調」を演奏する。
もう一人がピアノのデニス・マツーエフ(ロシア)で、1998年の第11回チャイコフスキー国際コンクールで優勝経験もあるしたピアニスト。
プロコフィエフの「ピアノ協奏曲第2番ト短調」を演奏するが、今回の来日公演2020の指揮者ワレリー・ゲルギエフと同曲を録音しているだけに息の合った演奏を聞かせてくれそうだ。
指揮
ワレリー・ゲルギエフ(全公演)
チェロ
堤剛(11月6日・9日・13日)
曲目:チャイコフスキー「ロココ風の主題による変奏曲イ長調」
ピアノ
デニス・マツーエフ(11月5日・6日・8日・9日・10日)
曲目:プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番ト短調」
ウィーン・フィル来日公演2020のスケジュールと会場~まとめ
今回は、ウィーン・フィル来日公演2020のスケジュールと会場・曲目・指揮者などについて見てきた。
ウィーン・フィルの来日公演2019のスケジュールは、11月6日の福岡公演を皮切りに全国4都市7公演で、指揮者はロシアの巨匠ワレリー・ゲルギエフ、ソリストにチェロで堤剛、ピアノでデニス・マツーエフ(ロシア)が参加する。
曲目はロシア系の楽曲を中心にドイツ系、フランス系が各1公演ずつとなっている。
コロナ禍で徹底したコロナ対策を施してのウィーン・フィル来日公演2020だが、演奏の盛り上がりとともに何とか無事に感染ゼロで成功することを期待したい。
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